BMW Mの高性能エンジン、排出ガス規制に対応 性能低下もなし 直6とV8存続へ

公開 : 2025.07.22 07:45

BMWは、Mモデル向けの直6およびV8エンジンを次期ユーロ7排出ガス規制に適合させると主張しました。性能も維持するとのことです。ダウンサイジングや高度な電動化は「想像もできない」と責任者は語っています。

M5に4気筒エンジンは想像できない

BMW Mの象徴である直列6気筒およびV8エンジンは、厳しいユーロ7排出ガス規制に対応し、その性能が損なわれることもないという。同部門の責任者が語った。

排出ガスの規制値自体は現行のユーロ6eから変更はないものの、ユーロ7では現実の使用状況を反映した、広範かつ厳しいシナリオで試験が行われる。また、現在の2倍となる10年間または20万kmにわたって、排出ガス規制に適合し続けなければならない。ブレーキとタイヤから生じる微粒子も初めてチェック対象となる。

Mモデル向けの直6とV8エンジンは、性能を維持しながら排出ガス規制に対応する。
Mモデル向けの直6とV8エンジンは、性能を維持しながら排出ガス規制に対応する。

AUTOCARのインタビューに応じたBMW MのCEO、フランク・ファン・ミール氏は、「ユーロ7規制に適合するエンジンを作ることはそれほど難しいことではありません。難しいのは、性能を維持することです」と述べた。

「ラムダワン(空気と燃料の混合比が理想的な状態、すなわち理論空燃比)で走行することが重要です。その状態を維持する必要があり、冷却はできません。通常、パフォーマンス走行時は燃料で冷却しますが、ユーロ7ではそれが不可能なので、温度上昇を回避する別の方法を見つける必要があります」

「燃焼プロセスにおける熱の蓄積と冷却を改善する必要があり、それが課題です。もちろん、性能を低下させれば温度上昇を避けることができますが、それは避けたい。新しい性能バランスとして、ラムダワンで走行しながらも、性能を低下させないことを目指しました」

ファン・ミール氏は、これを実現するためにエンジンをどのように改良したかについては言及を避けたが、いくつかの「非常に興味深い」調整を加えたと述べ、詳細については後日説明する予定だとした。

「直列6気筒エンジンはわたし達のレガシーであり、V8はレースで長い歴史を持っているため、今後も継承していくつもりです」とファン・ミール氏は力を込めた。

Mモデルにおいて、排出ガス削減のため、3気筒または4気筒エンジンへのダウンサイジングと電動化を検討するかどうか尋ねられた際、同氏は「ノー」と簡潔に答えた。

さらに、そのようなエンジンは、トルク供給、回転数範囲、車両重量など、Mが高性能モデルに求める「非常に特殊なマインドセット」を満たすことができないと付け加え、「M5に4気筒エンジンを搭載することは想像もできません」と述べた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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