スバルから380馬力の電動ステーションワゴン 新型『Eアウトバック』来年欧州発売へ

公開 : 2025.07.19 07:45

スバルは米国向けのEV『トレイルシーカー』を、欧州では『Eアウトバック』として発売します。シンメトリカルAWDと211mmの最低地上高を備え、悪路走破性を確保。航続距離は約450kmとされています。

初の独自開発EV オフロード性能も確保

スバルは、欧州市場向けの新型EV『Eアウトバック(E-Outback)』を発表した。SUVテイストの強い電動ステーションワゴンで、同名のロングセラーモデルの後継車に位置付けられる。

今年初めに米国で『トレイルシーカー(Trailseeker)』として発表されたが、欧州仕様車は現地でなじみのあるアウトバックの名を採用した。スバルが自社開発した初の量産EVであり、優れた四輪駆動システムと、211mmの最低地上高を誇る。

米国では『トレイルシーカー』、欧州では『Eアウトバック』として発売する。(写真はニューヨーク・モーターショーにて)
米国では『トレイルシーカー』、欧州では『Eアウトバック』として発売する。(写真はニューヨーク・モーターショーにて)    AUTOCAR

まず米国で2026年初頭に発売され、その後、欧州でも販売が開始される予定だ。改良新型ソルテラおよび新型アンチャーテッドと並んで、EVラインナップ拡大の重要な柱となる。

ソルテラはトヨタbZ4Xの兄弟車で、アンチャーテッドはC-HR+をベースに開発されたが、Eアウトバックは両車と同じプラットフォームを採用しつつも、スバル独自で開発されたという。スバルのEVプロダクトマネージャーである井上正彦氏は、Eアウトバックを構成する部品の約70%がスバル製で、同社の工場で生産されると述べた。一方、ソルテラはトヨタの工場で生産される。

Eアウトバックは、前後に1基ずつ、計2基のモーターを搭載し、合計出力380psを発生。0-97km/h加速は4.4秒を実現している。井上氏によると、同一のモーターを2基搭載することにしたのは、四輪駆動性能を最適化するためだという。

74.7kWhのリチウムイオンバッテリーを採用し、欧州WLTPサイクルによる最大航続距離は約450kmと推定されている。最大150kWの急速充電に対応し、10~80%の充電は35分以内に完了する。

最大1588kgの牽引能力を備え、雪や泥などさまざまな路面に対応したドライブモードやヒルディセントコントロール・システムも搭載している。

車内はソルテラよりもやや広く、アウトバックと同等のトランクスペースを確保した。ダッシュボードには、14.0インチのインフォテインメント・タッチスクリーン(スバル史上最大)と、デジタルインストゥルメントパネルを備えている。

価格はまだ発表されていないが、ソルテラよりも上位のモデルとして位置付けられる可能性が高い。

米国での販売は来年初頭から開始され、英国を含む欧州市場にもすぐに導入される予定だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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