欧州で『ジャスティ』復活の可能性? スバル、小型EV導入を検討中 候補にヤリスも

公開 : 2025.07.25 07:45

スバルは欧州市場におけるBセグメント車の人気を受け、低価格の小型EVの導入を検討しています。トヨタと共同開発する可能性もあり、ヤリスの後継車が有力候補と考えられます。ただし、導入には慎重な姿勢も見せています。

Bセグ人気に注目も、慎重な姿勢崩さず

スバルは、欧州Bセグメントへの再参入を検討しており、手頃な価格のEVハッチバックを投入する可能性がある。この動きは、ルノー5などの小型車の人気を受けたものだ。

小型車の投入により、改良型『ソルテラ』、新型『アンチャード』、新型『Eアウトバック』で構成されるEVラインナップのエントリー価格を引き下げ、欧州市場での販売力を強化する狙いがある。

スバルは低価格EVの導入を検討しているが、早くとも2027年以降になりそうだ。
スバルは低価格EVの導入を検討しているが、早くとも2027年以降になりそうだ。

スバルのBセグメント車としては、英国では1987年から2009年まで販売された『ジャスティ』がよく知られている。

AUTOCARの取材に対し、スバルのグローバルEV製品責任者である井上正彦氏は、年明けに発売された新型ルノー5が欧州でこれまでに3万台を販売するなど大成功を収めていることから、アンチャーテッドの下位モデルとなる車種の導入を検討していると語った。

「顧客の期待に応えるため、より幅広いBEVラインナップを用意する必要があり、検討の対象となっています」と正彦氏は述べた。

スバルはトヨタと戦略的提携関係にあり(ソルテラはbZ4Xの兄弟車で、アンチャーテッドは新型C-HR+をベースにしている)、小型車においても両社が再び協力する可能性は高い。以前から噂されているヤリス後継のEVが、有力候補となるだろう。

トヨタの製品責任者であるアンドレア・カールッチ氏が以前、AUTOCARに対して、EVのヤリスは「アイデアはあるものの、まだ実現には至っていない」と語っていることから、発売は2020年後半と見ていいだろう。

さらに、スバル欧州部門の責任者であるデビッド・デロ・ストリット氏は、Bセグメントが再活性化されていることから、新型車の導入は検討に値すると述べた。ルノー5や新型フォルクスワーゲンID.2のほか、クプラやMGからもBセグメント車の発売が予定されている。

しかし、デロ・ストリット氏は、アンチャーテッドの売れ行きを見守り、動向を見極めてからEVラインナップの拡大を決定する方針だとした。

「売れ行きを見極めるには約2年かかると思います」と同氏は付け加えた。「その間に新たなアイデアが浮かぶ可能性もあるため、2年後に改めてお話しましょう」

記事に関わった人々

  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    役職:常勤ライター
    AUTOCARに加わる以前は、クルマからボート、さらにはトラックまで、EVのあらゆる側面をカバーする姉妹誌で働いていた。現在はAUTOCARのライターとして、トップ10ランキングや定番コンテンツの更新、試乗記や中古車レビューの執筆を担当している。最新の電動モビリティ、クラシックカー、モータースポーツなど、守備範囲は広い。これまで運転した中で最高のクルマは、1990年式のローバー・ミニ・クーパーRSP。何よりも音が最高。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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