ヴォクゾール・アストラGTC LE 1.6iターボ

公開 : 2014.03.11 12:40　　更新 : 2017.05.29 18:29

ヴォグゾール

■どんなクルマ?

カスケードから移植された200psの1.6ℓターボ・エンジンを搭載する3ドアのアストラがGTC 1.6iターボだ。このGTC 1.6iターボは、VXRのひとつ下というポジショニングではない。エンジン以外は、スタンダートなGTCと同じというモデルだからだ。従って、最もスタンダードなアストラよりはチューニングされたハイバー・ストラット・フロント・サスペンションとリア・サスペンションを持ち、リチューンされたステアリングが与えられてはいる。また、今回試乗したのはリミテッド・エディションということで、20インチ・ホイールと深いバンパーが与えられている。

■どんな感じ?

20インチ・ホイールはアストラにグッド・ルッキングなエクステリアを与える。しかし、ホイールが大きすぎるために、その内側にあるブレーキは非常に小さく見えてしまうのも事実だ。

ホイールが大きくなったことでも、乗り心地には大きな影響はない。凹凸を乗り越える際など、激しいバンプを予想していたが、全くその心配もない。われわれは良く舗装されたフランスの道でテスト・ドライブしたが、若干平坦ではない道ではほんの少しだけステアリングを取られる程度だ。

200psのエンジンではあるが、ハイパー・ストラットのフロント・サスペンションはトルクステアをうまく打ち消してくれる。タイト・コーナーであってもスムーズなスロットルワークで駆け抜けることができる。スタンディング・スタートでも、フロント・ホイールが空回りするようなこともなく、素早い加速が可能だ。

しかし、このGTC 1.6iターボはそんなに速くはない。0-100km/h加速が7.3秒というパフォーマンスは、Mk5ゴルフのTIと同程度だろうか。また、多少うるさい排気音はドライバーを疲れさせるものだった。

■「買い」か?

このリミテッド・エディションは£21,495(370万円)という価格が付けられている。それであれば、1.4ℓのフォルクスワーゲン・シロッコを選択するほうが正しいといえる。このアストラのエンジンは、別に特別なものというわけではない。ただし、ヴォグゾールはすでにこのGTC 1.6iターボは£5,000(86万円)程度の値引きを行っているようだ。そうなると、良い選択と言えるかもしれない。

(ダン・スティーブンス)