【高級車A8の後継に】アウディ、次期旗艦モデル 9月にコンセプト公開予定 高度な自動運転技術搭載

公開 : 2021.07.13 20:05  更新 : 2021.07.13 20:41

アウディA8の後継となるフラッグシップモデルのコンセプトが、ミュンヘン・モーターショーで公開される予定。

グランド・スフィア・コンセプト

text:James Attwood(ジェームズ・アトウッド)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

アウディは、2024年に登場するアウディの新たなフラッグシップとなるハイテクEVのデザインを決定し、9月に開催されるミュンヘン・モーターショーでコンセプトカー「Grand Sphere(グランド・スフィア)」として公開する。

グランド・スフィアは、アウディが今後公開する3台のショーカーのうちの1台で、レベル4の自動運転システム(特定の条件下で監視なしの自動運転が可能)を搭載した車両をどのように形作るかが紹介される。

A8後継モデルのレンダリング
A8後継モデルのレンダリング    AUTOCAR

グランド・スフィアの市販モデルは、セダンのA8の後継となる高級フラッグシップモデルだ。2024年に公開され、翌年初頭に発売される見込み。

アウディのデザイン責任者であるマーク・リヒテはAUTOCARに対し、グランド・スフィアは「プロジェクト・アルテミスの非常に具体的な予告」となり、室内空間に焦点を当てた「デザインの新たな革命」を披露することになると述べた。

「わたしはデザインチームに、A8後継モデルのビジョンではなく、まったく新しいものを求めました。A8、BMW 7シリーズメルセデス・ベンツSクラスなどの3ボックスセダンの販売台数は減少しており、より魅力的な新しいボディスタイルが登場しています」

「正直なところ、わたし達のA8よりもSクラスの方がずっと成功していると思うので、Sクラスを攻めるためには全く新しいものを考えなければなりませんでした。その結果がこれです」

完成間近のプロジェクト・アルテミス

当初は独立した事業として運営されていたが、最近になって完全に社内化されたプロジェクト・アルテミスは、完全EVかつ自動運転が可能な新世代のアウディモデルを支える、新しいプラットフォームとソフトウェアの開発を行っている。

これは、eトロンGTQ4 eトロンなどの最新のアウディEVの次の大きな技術ステップとなる。

アウディ・グランド・スフィア
アウディ・グランド・スフィア    アウディ

プロジェクト・アルテミスは、これらの自動運転システムの恩恵を受けられるグランドツアラーの開発を担当していた。

Landjet(ランドジェット)というコードネームで開発されたプロジェクト・アルテミスの市販モデルは、A8の後継として構想されており、メルセデス・ベンツの新型電動高級セダン「EQS」の対抗馬となる予定だ。

ランドジェットという名前は、プライベートジェットのような「ファーストクラス」の豪華さを提供するインテリアに重点を置いていることを意味しているようだ。

アウディは当初、A9の名称を使用することも検討したが、従来のセダンやSUVとは根本的に異なる新型車であることから、新たな命名規則の導入を決定した。

ランドジェットは、フォルクスワーゲン・グループとしては初めて、主流のMEBとパフォーマンスに特化したPPE EVプラットフォームの要素を組み合わせた先進のSSPプラットフォームを採用することになる。また、同グループの社内ソフトウェア部門であるCariadが開発した先進的な新しいVW.OSソフトウェアパッケージを採用する。

また、ユニファイド・セル・バッテリー技術をいち早く採用するモデルでもあり、WLTPテストサイクルで約600kmの航続距離を実現する。さらに、800Vシステムが採用され、超高速充電器から最大350kWの充電にも対応すると考えられている。

アウディは、このモデルの性能や出力について、まだ詳細を明らかにしていない。

関連するフォルクスワーゲンのトリニティ・コンセプトと同様に、その高度なソフトウェアは、多くのセンサーやコネクティング機能と連動して、高度な自動運転を可能にする。

プロジェクト・アルテミスは昨年初めから、ポルシェのモータースポーツ・プログラムの元代表であるアレックス・ヒッツィンガーが運営していたが、アウディのテクノロジー責任者であるオリバー・ホフマンが社内に持ち込んだことで、その指揮を執ることになった。

こうした動きは、開発チームが量産に適さないアイデアを追求しすぎていたことなどから、グループの経営陣がプロジェクトの進捗に懸念を抱いていると報じられたことを受けてのものだ。

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