【またも盗難発覚】日本の人気旧車、盗難急増 窃盗団は必ず下見 何を確認する?

公開 : 2021.08.05 20:25  更新 : 2023.03.31 09:35

オーナーに接近 場所を聞き出す?

近年、特に盗難が増えているのはマツダRX-7(FD)、ホンダシビック(EK9)、ホンダ・インテグラ(同)、日産スカイラインGT-R(32/33/34)、日産シルビア(S14/15)、トヨタスープラ(A80)、トヨタ90系マークII。

新しいところでは2021年で25年ルール解禁(製造から25年経過した車両はアメリカの保安基準の縛りを受けることなく、中古車として輸入/販売/登録が可能になる)となる100系チェイサーも要注意だ。

確実にお金になる、部品としてばらした場合に需要があるクルマを選んでいるのだ。

窃盗を専門とする窃盗団は必ず、盗む前に「品定めと下見」をおこなう。

「盗難の指示」をされたクルマがどこにあるのか。3〜4人のグループで夜間でも音が静かなハイブリッド車に乗って住宅街を物色する。

またストリートビューで駐車場に並ぶクルマを物色したり、オーナーズミーティングなどに出かけて品定めをしたりするケースも増えている。

大黒PAなどクルマ好きが集まる場所も要注意だ。オーナーと仲良くなって住んでいる場所などを聞き出すこともあれば、SNSを使って「ずっとあこがれのクルマでした!」「欲しいクルマなので今、中古車で探しています」「近々、イベントなどに参加する予定はありますか?」などと偽って接近することもある。

それが日本語の怪しい外国人である場合は警戒を強めた方が無難だ。

窃盗団はあらゆる手を使って獲物を探し出し、ふだん置いている場所を特定。下調べや下見を行ってベストなタイミングを伺っていると言っていいだろう。

具体的に何を調べているのか?

逃走経路や防犯カメラの有無も確認

防犯対策

実際の下見ではまず、対象車両の防犯対策から確認する。

ハンドルロック/タイヤロック/ハンドルの有無(外していればそれに合うハンドルを持参)/セキュリティシステムの有無や作動状況はもちろんその銘柄(クリフォード/バイパー/ゴルゴ/パンテーラなど)も確認。

ハンドルロックの例。
ハンドルロックの例。    シャッターストック

下見はもちろん車両だけにとどまらない。

クルマが置いてある場所の周辺状況を写真や動画で記録を残して窃盗団のアジトなどで対策を練る。

周辺状況

周辺の防犯カメラの有無、逃走経路上のコンビニやセンサーライトが光る家の有無。

駐車場周りの民家はどれくらい密集していてそれらの住民の部屋はいつも何時頃消灯しているか?

駐車場はクルマを出しやすい場所にあるか?

クルマの近くに積載車を横付けできるかどうか。道路幅や道路構造も確認する。

逃走経路

国産旧車は盗まれると多くは「ヤード」と呼ばれる作業場に持ち込まれて解体される。

解体された後は部品として輸出するか、最近では国内のネットオークションで販売されるケースも少なくない。

いずれにしても、クルマの形をした状態ではなくバラされるケースがほとんどだ。

大切な愛車が切り刻まれるシーンなど想像したくもないだろうが……現実としてその可能性が高い。

ということでヤードまでの逃走経路はNシステムなどの監視カメラがないルートが選ばれる。

記事に関わった人々

  • 加藤久美子

    Kumiko Kato

    「クルマで悲しい目にあった人の声を伝えたい」という思いから、盗難/詐欺/横領/交通事故など物騒なテーマの執筆が近年は急増中。自動車メディア以外ではFRIDAY他週刊誌にも多数寄稿。現在の愛車は27万km走行、1998年登録のアルファ・ロメオ916スパイダー。クルマ英才教育を施してきた息子がおなかにいる時からの愛車で思い出が多すぎて手放せないのが悩み。

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