【ボディの水ぶくれに注意】ロータス・エリーゼS2 価格上昇は必至 英国版中古車ガイド

公開 : 2021.08.30 08:25  更新 : 2021.08.30 15:21

S2の価格は今後上昇する可能性大

英国では、S2の初期型はロングルーフという愛称が付いている。2002年以降のエリーゼより、わずかにルーフが長いことが理由だ。ルーフ長に関係なく、S1よりS2の方が水密性は高い。

後期のショートルーフは、オペル・スピードスター用として開発された理由もあり、より水漏れしにくいことが特長。S2でうれしいオプションが、スポーツエグゾーストと高性能ブレーキだろう。

ロータス・エリーゼS2(2000〜2010年/英国仕様)
ロータス・エリーゼS2(2000〜2010年/英国仕様)

大切にガレージ保管されてきたような、状態の良いエリーゼS2は数がどんどん少なくなっている。しかもS3は生産終了間際。S2の価格は、今後上昇すると考えられる。

興味を抱いたのなら、多くの人が動き出す前に、先に手を打った方が賢明かもしれない。ガレージがなくても高品質なカバーでボディを保護しつつ、大切に乗っていただきたいと思う。

専門家の意見を聞いてみる

バリー・エリー:バリー・エリー・スポーツカーズ代表

「1996年にS1のエリーゼが登場して以来、扱っています。金額を考えると、S2のエリーゼはベストのドライバーズカーといえるでしょう」

ロータス・エリーゼS2(2000〜2010年/英国仕様)
ロータス・エリーゼS2(2000〜2010年/英国仕様)

「特にビルシュタイン社製のサスペンションは逸品。S1のオーナーが、純正のコニ社製から交換するケースも少なくありません。S2のコンポジット・ボディは水分を吸収しやすく、維持管理が重要です」

「わたしイチオシのS2は、162psの111S。Kシリーズ・ユニットのパワーデリバリーは漸進的で、クロスレシオのMTはとても甘美。今のところ、S1よりS2の方が価値は高いといえるでしょう」

「価格は、オリジナル状態の方が高くなりがち。弊社では、状態の良いS2をいつも揃えるようにしています」

購入時に気をつけたいポイント

エンジン

Kシリーズ・エンジンのヘッドガスケットは、噂ほどトラブルには見舞われにくい。それでも、オイルのレベルゲージに冷却水が混ざったことでの乳化成分が付着していないか、確認はしておきたい。タイミングベルト交換は、5万8000kmか4年毎の指定だ。

Kシリーズの場合、ラジエターのプラスティック製タンクから冷却水が漏れていないか確かめたい。トヨタ社製のエンジンは、タイミングチェーン式となる。

トランスミッション

ロータス・エリーゼS2(2000〜2010年/英国仕様)
ロータス・エリーゼS2(2000〜2010年/英国仕様)

Kシリーズを載せたS2でも、クラッチの問題は起きにくい。サーキット走行にもよく耐える。試乗時は、ベアリングが鳴いていないか聞き耳を立てる。

トヨタ・エンジンの場合、クラッチが寿命前でも破損することがある。3速へ入りにくいケースもあるようだ。

サスペンションとブレーキ

フロントのアッパー・ウイッシュボーンの取り付け部分が腐食していないか調べる。修理は難しく、S2が廃車にされる原因でもある。

ボディ

シャシーとコンポジット・ボディとの接合部分がきれいな状態か確かめる。一体成型のクラムシェル・ボンネットは高価。亀裂なども細かく調べたい。コンポジット素材は水分を含み、水ぶくれのように膨らむことがある。

取り外せるルーフの状態も確かめたい。価格は高く、英国ではロングで1560ポンド(24万円)、ショートで1080ポンド(16万円)する。

インテリア

エアコンが機能するか確かめる。アルミ製パイプからガス漏れするケースがある。

サイドシルは高く、足などがぶつかりやすい。初期のS2の中には、S1用のフロアマットが接着されている例がある。アルミ製のフロアに鉄粉などが溜まるとヤスリのように表面を削り、湿気と反応して腐食することも。

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