【説得力なさすぎ?】EVに乗らない政治家 市民に普及促す「矛盾」 英BBC調査

公開 : 2021.08.31 06:05

英国ではエンジン車の禁止とEVの普及を目指しています。しかし、目標を掲げる政治家はEVに乗っていません。

政治家自身も気が進まない?

text:Jim Holder(ジム・ホルダー)
翻訳:Takuya Hayashi(林 汰久也)

「お手本」とは何だろうか?英BBCが最近行った調査によると、電気自動車(EV)に関して、政治家は自分のお金を使うよりも普及を促進することに熱心なようだ。

BBCによると、EVの購入に前向きだった英国の政治家は2人だけだったという。テスラモデル3を所有する保守党のグラント・シャップス議員と、EVのリース契約を約束している労働党のエド・ミリバンド議員だ。

英国は2030年までにエンジン車の新車販売禁止を目指している。
英国は2030年までにエンジン車の新車販売禁止を目指している。

ボリス・ジョンソン首相は、年季の入ったディーゼルエンジンのトヨタ・プレビア(エスティマの欧州仕様)に乗っている。労働党党首のキア・スターマーは、マイルド・ハイブリッドのトヨタCH-R。いずれもEV普及を目指す割には説得力に欠ける。なお、この記事はあくまで個人的なコラムであることをご承知おきいただきたい。

首相の気候変動担当報道官であるアレグラ・ストラットンは、自身のクルマがディーゼル車だと発言して注目を集めた。EVではない理由を聞かれた彼女は、「まだ気が進まない」と答え、両親が320km離れた場所に住んでいるため、「充電のために停車しなければならないと、移動に時間がかかってしまう」のだとしている。

市民に手本を示すべき立場

市民と同じように、ストラットンにも意見を述べ、法律の範囲内で自由にお金を使う権利がある。しかし、彼女の立場を考慮するに、EVの性能や充電インフラについてもしっかり言及していれば、ジェラルド・ラトナー(自社製品をクズ呼ばわりして批判された経営者)のような印象を与えずに済んだかもしれない。彼女の迷いは理解できるが、一方的な対応は無知であると言わざるを得ない。

こんな話はまだ他にもある。BBCが今年グラスゴーで開催されるCOP26(第26回気候変動枠組条約締約国会議)のアロック・シャルマ議長に自家用車の種類を尋ねたところ、「わたしはあまり運転しないから」という理由でディーゼル車を選択したという。これではディーゼル車を購入する理由(初期費用は高いが、ランニングコストが安い)を損なうことになる。

英国をはじめとする欧州では、EVの販売台数が順調に拡大している。
英国をはじめとする欧州では、EVの販売台数が順調に拡大している。

もちろん、政治家が仕事で利用できる公用車は電動化が進んでいる。54台のうち35台(65%)がハイブリッド車またはEVであり、車両更新時に改善しようとしていることも明らかになっている。しかし、首相官邸には内燃機関車しかない(ディーゼル車2台、ガソリン車1台)というのは、彼の役割と矛盾しているのではないだろうか。

さて、わたし達市民は誰に投票すればいいのだろうか。もし信頼性と誠実さを重視するのであれば、規制を提案する政治家自身にも問題に取り組む姿勢があるかどうかを検討したほうがいいかもしれない。

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