【ワンオフも制作可能】アストン マーティンの「Q」 V600 007エディション V12 スピードスター 前編

公開 : 2021.10.02 11:05  更新 : 2021.10.12 16:23

V12 スピードスター

屋根もフロントガラスもないV12 スピードスターは、Q部門がこれまで作り上げたクルマの中で、最も過激な1台かもしれない。ベースとなったのは、ヴァンテージロードスターDBSスーパーレッジェーラだ。

エンジンは700psのツインターボV12で、サイモン氏ですら「孤高のクルマ」だと話す。「プロトタイプを5台制作しました。2台は衝突試験用。88台の限定ですが、製造過程が通常とは大きく異なり、(すべての台数を仕上げるのに)1年が必要です」

アストン マーティンV12 スピードスター
アストン マーティンV12 スピードスター

「工場のラインを流れるのではなく、大きな専用エリアで作られます」。と説明するサイモン氏。英国価格は76万5000ポンド(1億1628万円)。デザインは戦闘機からインスピレーションを受けたというが、仕上げは顧客に応じて変わるという。

F/A-18ホーネットにインスパイア

ジェット戦闘機のマクドネルダグラスF/A-18ホーネットから発想を得たものや、アストン マーティンDBR1を彷彿とさせるものまで、トリムの設定は幅広い。

「V12 スピードスター自体も独自性の強いクルマですが、本当に特別なオプションを用意しています。古いアストン マーティンから戦闘機まで、デザイン・モチーフは様々。われわれの想像力を、本当の意味で解き放つものといえますね」

アストン マーティンV12 スピードスター
アストン マーティンV12 スピードスター

V12 スピードスターの発表時に採用されていたテーマは、F/A-18ホーネットにインスパイアされたもの。ブラックのエグゾーストとグリル、赤いドアハンドルが見た目の特長。インテリアも、ダーククロームとマシン仕上げのアルミトリムが効果的だった。

「パッケージの設定は楽しい仕事でした。ですが、お客様はわれわれと同じくらい独創的でもあります。88名の方それぞれへ多様な選択肢を提示し、トリムパッケージを選んでいただきました」

「お客様の中には、独自のアイデアをお持ちの方もいらっしゃいます。2台とない仕立てのクルマが完成するでしょう」

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 撮影

    オルガン・コーダル

    Olgun Kordal

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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