ヴァンキッシュに5 E-テック 2人の印象は? アストン マーティンとルノー 親友デザイナーへ聞く(1)

公開 : 2025.09.26 19:05

古くから親しい仲の、アストン マーティンとルノーのデザイナー 特徴の異なる2台へデザイナーが抱く印象は? クルマのデザインで意識するものとは UK編集部が2人の敏腕へインタビュー

特徴の異なる2台へデザイナーが抱く印象は?

ルノーでデザイン主任を務めるローレンス・ヴァン・デン・アッカー氏が、深夜便で英国へ飛んで来てくれた。「クリスマスみたいですね」。満面の笑みで歩み寄ってくる。

彼は、アストン マーティンのクリエイティブ部門主任、マレク・ライヒマン氏と親しい仲にある。ところが、その美しいグランドツアラーを運転したことがないという。

イエローのルノー5 E-テックと、グレーのアストン マーティン・ヴァンキッシュ
イエローのルノー5 E-テックと、グレーのアストン マーティン・ヴァンキッシュ    マックス・エドレストン(Max Edleston)

そこでAUTOCARは、ライヒマンへその旨を伝え、アストン マーティン本社前へ彼を招待させていただいた。晴天に恵まれた今日は、落ち着いたグレーのヴァンキッシュと、眩しいほど鮮やかなイエローのルノー5 E-テックが、ここに停まっている。

キーをお渡しすると、2人はウォリックシャー州の地平線へ意気揚々と消えていった。筆者との待ち合わせ場所は、西へ20kmほど離れたカフェ。デザイナーとして、特徴の異なる2台へ抱く印象は興味深い。

攻めてみるとドライバーを誘ってくる

AUTOCAR(以下:AC):それぞれを運転したご感想は?

ライヒマン(以下:MR):ローレンスさんと史跡を巡ったんですが、素敵な道でした。ここは典型的な英国の一般道で、弊社のテストコースといえます。路面のうねりや舗装の剥がれ、きついカーブなどが点在し、最高の感覚を味わえます。

グレーのアストン マーティン・ヴァンキッシュと、イエローのルノー5 E-テック
グレーのアストン マーティン・ヴァンキッシュと、イエローのルノー5 E-テック    マックス・エドレストン(Max Edleston)

ヴァン・デン・アッカー氏(以下:LA):このクルマ(ヴァンキッシュ)本来の場所で、あるべきように運転でき、夢が叶った少年のような気分。こんな加速は初めてで、声を出して笑いました。最初は不安でしたが、攻めてみるとドライバーを誘ってくる。

AC:5 E-テックの印象はどうでしたか? ライヒマンさん。

MR:本当に良かった。レスポンスとエキサイティングさが凄い。チャンスを逃さない感じです。ホイールスピンした瞬間もありましたよ。

下位カテゴリーのレンタカーを借りる

AC:他メーカーのモデルを運転する機会は多いのでしょうか?

MR:直接的に競合するデモ車両には試乗しますが、カテゴリー外のクルマは滅多にありません。なので、機会があれば積極的に乗ります。多くの経験を得るため、旅行先では下位カテゴリーのレンタカーを借りるようにしています。

ルノー5 E-テック(英国仕様)
ルノー5 E-テック(英国仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

LA:ベンチマークとなる「ゴールデンカー」と呼ばれる車種や、競合モデルへ乗ります。アストン マーティン水準ではないにしろ、アルピーヌは面白くなって来ています。最近は、プレミアム・ブランドやスポーツカー・ブランドへ乗る機会も増えました。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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