【モデル3のクロスオーバー版】新型テスラ・モデルYへ試乗 クラストップの実力 後編

公開 : 2021.10.31 08:26

余裕でクラストップにランクインできる

それ以外、走りの質感は良好。ステアリングホイールはスムーズだし、正確に反応する。セルフセンタリング性も良かった。操舵時の重さは3段階から選べるが、コンフォート・モード以上に重くする必要はないだろう。

ドライバーとの一体感という点では高くないが、全般的に安定している。ファミリーSUVとしては、充分以上の操縦性といえる。

テスラ・モデルY ロングレンジ(欧州仕様)
テスラモデルY ロングレンジ(欧州仕様)

テスラといえば、オートパイロット。すべてのモデルYにも実装されている。とはいえ、かなり高機能なアダプティブ・クルーズコントロールに近い。フルセルフ・ドライビング機能もオプションで追加できるというが、試乗車には備わっていなかった。

テスラは、常にドライバーがステアリングを握り注意を払うように、強く念を押している。「オート」パイロットや「フルセルフ」・ドライビングとまでは、表現しない方が良いと感じた。

競合車種が増え、2018年にモデル3が英国へ上陸した時より、純EVには良い競争が生まれている。そのなかにあって、乗り心地やタッチモニターに頼りすぎたインターフェイスなど気になる部分もあるものの、モデルYは良いクルマだ。

加えてテスラが有するスーパーチャージャー・ネットワークは、圧倒的な強みでもある。テスラ・モデルYは、余裕でクラストップにランクインできる実力を備えていると思う。

テスラ・モデルY ロングレンジ(欧州仕様)のスペック

英国価格:5万4990ポンド(852万円)
全長:4750mm
全幅:1920mm
全高:1624mm
最高速度:214km/h
0-100km/h加速:5.0秒
航続距離:506km
電費:−
CO2排出量:−
車両重量:2003kg
パワートレイン:ツインAC電気モーター
バッテリー:75kWh(実容量/予想)
最高出力:440ps
最大トルク:58.5kg-m
ギアボックス:−

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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