ポルシェ・ミッションRコンセプトへ試乗 1100ps 純EVのケイマンが透ける 前編

公開 : 2021.11.29 08:25  更新 : 2022.08.08 07:20

クオリファイ・モードで1100ps

ミッションRが積むパワートレインは、80kWhの駆動用バッテリーと、2基の駆動用モーターという構成。前後に1基づつ割り振られ、クオリファイ・モードを選ぶと、合計で1100psもの最高出力を発揮する。

今回はレース・モードで、最高出力は680psに制限されていた。それでも、0-100km/h加速をたった2.5秒でこなす。亜麻繊維という自然素材を用いた専用ボディが発生する、強力なダウンフォースが働くにも関わらず、最高速度は309km/hに届くという。

ポルシェ・ミッションRコンセプト・プロトタイプ
ポルシェ・ミッションRコンセプト・プロトタイプ

車内の雰囲気は、息を呑むようなレーシングカーだ。最初は圧倒されたが、アクセルとブレーキペダル、操縦桿型のステアリングホイールのほかに、ステアリングホイール上に並ぶスイッチの内容を覚えれば大丈夫だとわかった。

ただしこのミッションRは、惜しみなく最先端技術が落とし込まれたレーシングカーの、コンセプトカー。ポルシェがレーシングカーを開発するにあたって、通常進めるプロセスは経ていない。そのため、最高速度は100km/hに制限されていた。

恐らく読者は、そのことを残念に思うだろう。筆者も、とても歯がゆかった。

ル・マン24時間で優勝経験を持つマルク・リープ氏や、ニュルブルクリンク24時間で優勝経験を持つラーズ・カーン氏などが、このルールを決めたという。だが、彼らはより速いスピードで走らせていた。

もし筆者が経験豊かなレーシングドライバーなら、より高い速度域での体験をお伝えできたかもしれない。ミッションRコンセプトへ、もっと迫ることができただろう。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    アンドリュー・フランケル

    Andrew Frankel

    英国編集部シニア・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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