マセラティ・グレカーレ MHEV プロトタイプへ試乗 ステルヴィオの兄弟SUV 後編

公開 : 2021.12.01 08:26

マセラティの新型SUV、グレカーレの試作車へ英国編集部が試乗。乗り心地や操縦性など、高い競争力を備えているようです。

ステルヴィオと同じプラットフォーム

マセラティ・グレカーレ・プロトタイプを発進させてみると、旋回性と俊敏性の秀でたバランスに気付く。アルファ・ロメオ・ステルヴィオと似ている。

ポルシェ・マカンのように、ボディロールを完全に打ち消そうとはしていない。流れるようなコーナリングを実現するため、適度に抑制されている程度だ。

マセラティ・グレカーレGT MHEV プロトタイプ
マセラティ・グレカーレGT MHEV プロトタイプ

ステアリング・フィールには少し人工的な手応えがあるが、重み付けは適正で、レシオも程々にクイック。マセラティのグランドツアラーらしい性格が、グレカーレにも与えられているように感じた。

コーナー出口でアクセルペダルを踏み込むと、リアタイヤ主導の駆動力分配でテールが外へ膨らむ。予想より早めにステアリングホイールを直進状態に戻し、脱出していける。すべての挙動が頼もしい。

親近感すら湧くドライバーズカーらしい個性を生んでいる理由は、アルファ・ロメオ・ステルヴィオだけでなく、ジュリアも採用するジョルジオ・プラットフォームをベースとしているからだろう。その強みが表れている。

左右のタイヤの間隔、トレッドはステルヴィオより広く、マセラティはクラス最大の車内空間を実現したと主張している。19インチから21インチまで選択できるホイールも独自のものだが、基本的にシャシー構成はステルヴィオに準じる。

サスペンションは、可変式の3チャンバー・エアサスペンションを搭載するため、微調整を加えた程度だという。フロントのダブルウイッシュボーンは、入念に煮詰められたようだが。

特徴となるダイナミック・コントロール

ちなみにグレカーレでは、従来的なコイルスプリングとダンパーという組み合わせも選択できる。しかし、低速域での柔軟性と高速域での姿勢制御の両立を考えれば、最上級のエアサスペンションに支持が集まるのだろう。

実際、エアサスペンションは波長の長い路面のうねりをしなやかにいなし、細かな凹凸も見事に吸収。プロトタイプの乗り心地は、クラス上位に位置するものだった。マセラティ独自の油圧ブッシュも、一役買っているはず。

マセラティ・グレカーレGT MHEV プロトタイプ
マセラティ・グレカーレGT MHEV プロトタイプ

インテリアの高い質感と合わせて、ステルヴィオには備わらない強みといっていい。

さらにグレカーレの特長となるのが、マセラティが開発したダイナミック・コントロールシステム。アンダーステアが発生しそうな場面では、システムがエンジンの出力を調整。必要に応じてブレーキの制御も行い、ラインを維持できるようにアシストしてくれる。

ドライバーは、意に介せずアクセルペダルを踏み込んだままコーナリングさせることも可能。ステアリングホイールの角度が戻り、グリップやトラクションが充分に得られるとシステムが判断すれば、絞られていた出力は自動的に開放される。

腕利きのドライバーなら、電子的な介入を喜ばないかもしれない。だが、ダイナミック・コントロールの仕事は極めて迅速で、感心するほど滑らか。平均的なドライバーには、自分で大きなクルマをコントロールしているという満足感を与えるはず。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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