初めてEVに乗る人が注目すべき小型車 10選 セカンドカーとしても優秀な欧州人気モデル

公開 : 2021.12.10 18:05

初めてのEVにぴったりなモデルを紹介。プジョー、ミニ、ホンダなど個性豊かな10台を取り上げます。

初めて乗るEV、どれにする?

EVのラインナップが急速に拡大する昨今、注目すべきコンパクトモデル10台をランキング形式で紹介する。

車体が小さく、バッテリーの搭載スペースが少ないため、航続距離は大型車には及ばない。しかし、バッテリーが小さいということは、それだけ価格が安いということでもある。

EV激戦区の欧州で注目される10台
EV激戦区の欧州で注目される10台

また、たまにしか長旅をしないような都会の居住者を対象にした場合、例えば300km以上の航続距離を必要とするオーナーがどれだけいるかは議論の余地があるだろう。

エンジン車から初めてEVに切り替える人や、セカンドカーとしてEVを探している人にとっても有力な選択肢となるはずだ。

なお、価格や仕様は記事執筆時の英国での実例に基づいている。ご参考までにとどめていただきたい。

1. プジョーe-208

208のEV版であるe-208は、2020年に市場に投入されたPSAグループのEVモデルの中でも特に、価格面やスタイル面で魅力的だ。航続距離、性能、価値、実用性、スタイル、品質感などを考慮すると、初めてEVを購入する人の「気になるリスト」上位にランクインしてもおかしくない。おそらく、どの小型EVよりも高く評価されるだろう。

低廉な印象のEVとは異なり、素材感のある上質なインテリアは、スタイリッシュなボディと同様に、このクルマを明確に際立たせている。実用性はルノー・ゾエと同等で、ミニ・エレクトリックよりも優れている。

1. プジョーe-208
1. プジョーe-208

洗練されたデザインはライバルを凌駕しており、パフォーマンスもかなり強力だ。電気モーターを使った「キレの良さ」は十分に感じられる。乗り心地もしなやかだ。小型EVは車体の重さを抑えるのに苦労することが多いのだが、e-208はそのようなことはない。

ステアリングはダイレクト感があって印象的だが、アグレッシブに運転するとボディコントロールが少し悪くなる。それでも、e-208のドライビングは丸みを帯びていて、とても印象深い体験である。

2. フィアット500エレクトリック

見慣れたクルマに見えるかもしれないが、通常の500と並べて見ると、全く新しいクルマであることに気がつくはずだ。フィアットは、500のキュートなレトロ感を残しつつ、見事に現代的なEVに仕立て上げた。

当初からEVとして開発されたため、(小型車としては)かなり大きな42kWhのバッテリーを搭載し、理論上の航続距離は320km(実際には225km程度)となっている。欧州では24kWhのバッテリーを搭載した500アクションという安価なモデルもあるが、お勧めするほどの節約効果はない。

2. フィアット500エレクトリック
2. フィアット500エレクトリック

EVとなったフィアットの走りは、標準の500よりも格段に優れている。119psの出力により、驚くほどスピーディーな走りを実現しているのだ。ステアリングはかなり軽めだが、グリップ力は十分で、ボディロールもしっかり抑えられているため、都市型EVとしては考えられないほどの運転の楽しさがある。高速道路を快適に走ることはできないが、うまく対応することができる。

インテリアも、これまでの500に比べて大幅に改善されている。プラスチッキーな質感は残っているが、見た目は美しく、シートも快適。インフォテインメント・システムは論理的で操作性が良い。ただし、背の高いドライバーには向いていないし、大人を後部座席に乗せないほうがいいというのは言うまでもないだろう。

価格は2万ポンド(約300万円)強からとなっており、サイズの割には高額だが、ファッショナブルで使い勝手のよいEVとしては非常にお買い得な価格設定と言える。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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