初めてEVに乗る人が注目すべき小型車 10選 セカンドカーとしても優秀な欧州人気モデル

公開 : 2021.12.10 18:05

6. BMW i3 S

BMW i3は、EVを所有するというコンセプトを大衆市場に持ち込んだとまでは言えないが(2010年の日産リーフに先を越された)、少なくとも、EVが面白く、個性的なものになり得ることを示したとは言えるだろう。

2013年以降、航続距離、パワー、車載技術を向上させてきたが、その過程でエンジンを発電機として搭載するレンジエクステンダー仕様が廃止され、現在は純粋なEVのみとなっている。公称航続距離は302kmで、現在の基準で言えば価格の割に期待はずれである。

6. BMW i3 S
6. BMW i3 S

編集部がi3で気に入っている点は、スポンジのようなボディコントロールはさておき、洗練された感覚、ゆったりとした乗り心地、適切に配置された操作系とインテリアの雰囲気だ。また、炭素繊維強化プラスチック製の構造と際立ったデザインにより、アバンギャルドで刺激的な雰囲気を醸し出している。

7. ホンダe

ホンダは、初の量産EVであるホンダeで革新的なアプローチをとった。リアに搭載されたモーターはパッケージングの効率化を実現し(ただし、全体的には少し失敗している)、4輪独立サスペンションは大型車のような乗り心地とハンドリングを目指している。

136psと154psの2種類のモデルがあるが、どちらもバッテリー容量はライバルには及ばない。35.5kWhのバッテリーを搭載し、WLTPでの航続距離は最大220km(16インチホイール装着時)とされている。英AUTOCAR編集部のテストでは、17インチホイールを装着した試乗車で160kmを超えることはできなかった。

7. ホンダe
7. ホンダe

運転してみると、乗り心地はふっくらとして落ち着きがあり、操作しやすい。ステアリングは飛び抜けているわけではないが、適度なレスポンスの良さを感じる。刺激的ではないし、ボディコントロールも改善の余地はあるが、都市型EVとしてはリラックスして運転できるだろうし、そのオルタナティブなスタイリングは非常に愛らしい。

8. マツダMX-30

マツダは、他社がやらないようなことでも、自分のやり方で進めることを決して恐れない。

MX-30は期待を超えるものではないが、魅力的な製品である。35.5kWhという異例の小ささのバッテリーを積んだトイカーのような外観で、公称航続距離200kmを実現している。これは、オーナーがこれ以上バッテリーを必要としないと考えているからであり、容量を大きくすると無駄なコストがかかるからだ。

8. マツダMX-30
8. マツダMX-30

流行のSUVライクなボディを持ち、車内は適度な広さがある。興味深い素材を使用したインテリアは独特の居心地の良さと好感の持てる雰囲気を醸し出している。

ダイナミクス面でもMX-30は際立っている。ただし、それは面白い道を少しだけペースを上げて走っているときに限られる。145psの出力と27kg-mのトルクでは、直線では決して驚かないが、重さを伝えるステアリングやコーナリング時のサスペンションのしなやかな動きは、ロードスターを彷彿とさせるものがある。しかし、街中ではやや地味な印象を受ける。

最大50kWでの充電が可能で、限られた航続距離で問題なれば、一風変わったマツダ車の魅力は十分に味わえる。セカンドカーとしても有力かもしれない1台。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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