新型トヨタ・ノア&ヴォクシー クラス超え「最新」&「初」盛りだくさん レクサス譲りも

公開 : 2022.01.13 13:40  更新 : 2022.01.20 15:17

新型トヨタ・ノア&ヴォクシーが登場。クラスを超えた最新装備に開発陣の並々ならぬ熱意を感じます。詳細を解説。

最新システムがモリモリ

これはもう参った!

人気ミニバンのトヨタヴォクシー」と「ノア」がフルモデルチェンジしたのだが、その概要を知れば知るほど驚くばかり。

新型トヨタ・ヴォクシー
新型トヨタ・ヴォクシー    トヨタ

新型は「えっ、そんな装備までつけちゃうの!?」という驚愕と同時に、トヨタブランドとして初採用の仕掛けを多く採用していることに唸る。

もっとも驚いたのは、「渋滞時ハンズオフ・アシスト」の採用だ。

ハンズオフ・アシストとは、高速道路運転中にハンドルから手を離すことができる先進の運転アシスト機構。

たしかにトヨタは「ミライ」で日本の制限速度上限まで使えるハンズオフ・アシスト機能をオプション設定しているから、それ自体は「トヨタ初」ではない。新型ヴォクシーやノアの搭載のシステムは使用可能範囲が約40km/h未満の渋滞時に限られ、車線も同一車線内のみにとどまるという違いもある。

とはいえ、ミライのような高価(約80万円)だけど高いタイプではなく、普及タイプのハンズオフ・アシストを他の先進安全装備とセットで10万円台という価格帯とし、一般に広く普及させる最初のモデルにMクラスのミニバンを選ぶなんて誰が予想しただろうか。

「高級ブランドのレクサスでも上級セダンのクラウンでもなく、ミニバンのヴォクシー&ノアから普及させる」という姿勢に驚いた。

さらに先進安全機能は右折時の衝突被害軽減ブレーキ機能を盛り込んだ、レクサスブランドを含めても最新のシステムが投入されている。

小型化しつつも高出力化

そんな新型ヴォクシー&ノアだが、プラットフォームは「GA-C」、つまり現行型プリウスでデビューして「C-HR」や「カローラ」シリーズそして「レクサスUX」など幅広い車種に使われているタイプだ。

しかし、それらとは異なるのがハイブリッドシステム。

「エンジンは設計の約9割が従来どおりだが、電動モジュールはすべて新設計」という最新世代のハイブリッドが組み込まれている。
「エンジンは設計の約9割が従来どおりだが、電動モジュールはすべて新設計」という最新世代のハイブリッドが組み込まれている。    トヨタ

「1.8Lエンジン(2ZR-FXE)を組み合わせたストロングハイブリッド」という意味ではプリウスなどと同じだが、「エンジンは設計の約9割が従来どおりだが、電動モジュールはすべて新設計」という最新世代のハイブリッドが組み込まれている。

従来タイプに比べて、モーターは15%の軽量化と小型化しつつ出力は16%向上、リチウムイオンバッテリーは30%小型化しつつ出力は15%向上、パワーコントロールユニットは従来比29%の損失低減といずれも「小型化しつつも高出力化」しているのがポイントだ。

その結果、加速度や加速フィーリング、そして約2割の燃費向上(先代の19.8km/Lに対して新型は23.4km/L)という性能を手に入れた。

トランスアクスルに使われる潤滑油が、これまで初代プリウスの世代からATFとしていたのに変わって電動車専用の超低粘度オイルに切り替わったのも、従来のシステムに対するとてつもなく大きな変更点だ。

このオイルの粘度は常温でATFの半分ほど、低温域では3分の1ほどの柔らかさというサラサラなもの。

狙いはもちろん、エネルギーロスの軽減である。

記事に関わった人々

  • 執筆

    工藤貴宏

    Takahiro Kudo

    1976年生まれ。保育園に入る頃にはクルマが好きで、小学生で自動車雑誌を読み始める。大学の時のアルバイトをきっかけに自動車雑誌編集者となり、気が付けばフリーランスの自動車ライターに。はじめて買ったクルマはS13型のシルビア、もちろんターボでMT。妻に内緒でスポーツカーを購入する前科2犯。やっぱりバレてそのたびに反省するものの、反省が長く続かないのが悩み。

関連テーマ

おすすめ記事