新型トヨタ・ノア&ヴォクシー クラス超え「最新」&「初」盛りだくさん レクサス譲りも

公開 : 2022.01.13 13:40  更新 : 2022.01.20 15:17

ハイブリッドシステム新世代へ

また先代モデルには設定のなかったハイブリッドの4WDも追加された。

後輪用のモーターも小型化されたが、その出力は現行プリウスに対して約6倍という、目を疑うような数値だ。

後輪用のモーターも小型化されたが、その出力は現行プリウスに対して約6倍、実質的な作動領域が発進から150km/hまで対応。
後輪用のモーターも小型化されたが、その出力は現行プリウスに対して約6倍、実質的な作動領域が発進から150km/hまで対応。    前田惠介

従来は実質的な作動領域が発進から約30km/hほどまで(駆動自体は約70km/hまでおこなわれる)だったのに対して、新型は日本の最高速度を超える150km/hまで対応(輸出も考えた設計)。

それが何を意味するかといえば、後輪をモーターで駆動する4WDの役割が「雪道での発進アシスト」のみにとどまらず、悪条件での高速安定性やドライ路面でのコーナリング性能にまで踏み込んだということになる。

実は、新型ヴォクシーノアに採用された新設計のハイブリッドシステムは、トヨタ内では「第5世代」と呼ばれる。

現行プリウスに採用されているタイプが「第4世代」、ヤリス・ハイブリッドやアクアに搭載されているのが通称「4.5世代」と世代が変わった。

それを説明すれば、今回の進化でどれほどの変化が起こったかを理解できるだろう。

また、これまではシステム総称として「THS II」と呼んでいたが、新型ヴォクシー&ノアのリリースにはその表記は見当たらない。

かわりに「シリーズパラレルハイブリッド」と書かれている。最新世代のハイブリッドを皮切りに、トヨタはシステムの表現も切り替えるようだ。

レクサスNX譲りの「初」も

新型ヴォクシー&ノアの「初」は普及型のハンズオフ・アシストや新世代ハイブリッドだけにとどまらない。

たとえばナビは、車載ナビ機能のない「ディスプレイオーディオ」だけの仕様であっても、通信機能の活用によってスマホを接続しなくても「通信ナビ」を利用可能(新車購入から5年間は無料でつかえる)。

新型トヨタ・ノア/ヴォクシーは、車外(クルマの脇3m程度の範囲)からスマホを操作することで車庫入れや車庫出しをする機能も用意している。
新型トヨタ・ノア/ヴォクシーは、車外(クルマの脇3m程度の範囲)からスマホを操作することで車庫入れや車庫出しをする機能も用意している。    トヨタ

そのうえオプションではあるが、車外(クルマの脇3m程度の範囲)からスマホを操作することで車庫入れや車庫出しをする機能も用意している。

いずれも「レクサスNX」の新型には設定されているが、トヨタブランドとしてはこのヴォクシー&ノアが初めてだ。

これが「クラウン」や「アルファード」という上級車種ならまだわかる。

しかし、それらに比べると身近な普及モデルとなるヴォクシー&ノアで、ここまでの先進装備を組み込んできたことに驚かされたのだ。

どんな背景があるのだろうか?

1つは、タイミングが良かったことだ。

たとえばハイブリッドに関しては「開発のタイミングと重なった」という背景がある。

先進機能に関しては、電気装備系の基礎となる「電子プラットフォーム」が昨年秋デビューの新型NXから採用され、何を隠そうそのトヨタブランドでの初採用モデルが今回のヴォクシー&ノア。

だからヴォクシー&ノアには、新型NXで初採用された仕掛けや先進装備が用意されているのだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    工藤貴宏

    Takahiro Kudo

    1976年生まれ。保育園に入る頃にはクルマが好きで、小学生で自動車雑誌を読み始める。大学の時のアルバイトをきっかけに自動車雑誌編集者となり、気が付けばフリーランスの自動車ライターに。はじめて買ったクルマはS13型のシルビア、もちろんターボでMT。妻に内緒でスポーツカーを購入する前科2犯。やっぱりバレてそのたびに反省するものの、反省が長く続かないのが悩み。

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