ノーブルM12とM400 英国版中古車ガイド 信頼できる手頃なスーパーカー

公開 : 2022.02.01 08:25

ノーブルの新モデルが発表されましたが、2001年発売のM12も魅力の塊。英国編集部がご紹介します。

手頃な価格の本格スーパーカー

高額な車両価格や複雑なメカニズムは、スーパーカー・オーナーになれる人を狭めるものだ。それに疑問を感じたのか、英国のリー・ノーブル氏は、M12 GTOと呼ばれる少量生産のスーパーカーを独自に生み出した。

その完成度は非常に高く、登場の2001年から5年ほどはフェラーリポルシェと対等に渡り合えたほど。ライバルと比べて遥かに手頃な価格設定も、話題の1つになった。

ノーブルM12 GTO(2001〜2008年/英国仕様)
ノーブルM12 GTO(2001〜2008年/英国仕様)

M12 GTOの発売当初の英国価格は、4万4950ポンド。スチール製のスペースフレーム・シャシーに、ル・マン・プロトタイプのようなFRPボディを被せるという、シンプルながら効果的な設計が最大の特徴といえるだろう。

サスペンションは、前後ともにダブルウイッシュボーン式。エンジンは、オールアルミのフォード社製2.5L V型6気筒デュラテック・ユニットにツインターボをドッキング。最高出力314psを発揮した。

ノーブルの事業規模は小さく、シャシーの製造を請け負ったのは南アフリカのハイテク・オートモビル社。組み上がったものを英国へ運び、最終的な仕上げとともに、強力にチューニングされたエンジンが搭載された。

ギャレット社製ターボの特徴的な唸りを響かせつつ、0-160km/h加速は約10秒。トランスミッションは5速MTで、最高速度は265km/hを達成していた。

アグレッシブな見た目に鋭い身のこなし

1999年創業の英国新興メーカーによる初モデルとなったM12 GTOは、自動車メディアだけでなく、自動車ファンからも暖かい歓迎を受けた。鋭い身のこなしに強力なグリップ力、一体感のある操縦性が、当時高い評価を集めている。

レーシングカー的な、アグレッシブなスタイリングも注目に値する。また、人間工学に優れたドライビングポジションと適切な遮音性も備え、見た目からすれば乗り心地もマイルドと呼べるもの。長距離を快適に移動できることも強みだった。

ノーブルM12 GTO(2001〜2008年/英国仕様)
ノーブルM12 GTO(2001〜2008年/英国仕様)

M12 GTOには多くの可能性が残されており、翌2002年には同じデュラテック・ユニットながら、フォード・マーベリック用の3.0L V6エンジンへ置換。M12 GTO-3へとバージョンアップしている。

最高出力が357psへ引き上げられたほか、最大トルクは大幅に向上。ターボラグも短くなっているが、個性の1つだったターボノイズは小さくなっている。

さらに2003年には、進化版のM12 GTO-3Rが登場。そのまま、2008年まで生産が続けられている。このモデルの識別点は、新しいヘッドライト。よりスムーズな変速が可能な6速MTとクワイフ社製のLSDが搭載され、後輪を効果的に駆動させていた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サイモン・ハックナル

    Simon Hucknall

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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