魅力は変わらずアップデート フォルクスワーゲンTロック 2.0TSIへ試乗 小変更

公開 : 2022.03.06 08:25

世界で100万台を販売した、人気のクロスオーバーがフェイスリフト。英国編集部がパワフルな2.0TSIを評価しました。

フロントマスクを中心にリフレッシュ

2017年に発売されたフォルクスワーゲンTロックは、各国市場で予想を上回る台数が売れている。8年間が予定されているモデルライフの半分を過ぎ、フェイスリフトが施されたが、控え目な内容だったこともうなずける。

フォルクスワーゲンによれば、欧州市場だけでこれまでに65万台、全世界で100万台をラインオフしたという。ここまで高い支持を得たモデルに対して、大きく手を加える必要がないことを、ドイツの巨人も理解しているのだろう。

フォルクスワーゲンTロック 2.0TSI 4モーション Rライン(欧州仕様)
フォルクスワーゲンTロック 2.0TSI 4モーション Rライン(欧州仕様)

外観も内面も、僅かな改良は受けている。だが、大きく変わったといえる部分はない。ボディスタイルは、クロスオーバー・ハッチバックの5ドアと、2ドア版のカブリオレという2種類。動力性能も従来どおりといって良い。

見た目で最も変化したのが、フロントマスク。LEDヘッドライトの形状が新しくなり、オプションとしてIQライトと呼ばれるアダプティブ・マトリックス・プロジェクターライトが用意された。

フロントグリルはメッシュ部分の処理が個性を増し、丸いVWのロゴの両サイドにデイライト・バーを追加。バンパーもリフレッシュされ、エアインテークとデイライトまわりの処理も変更されている。

リア側では、LEDテールライトの点灯パターンや、バンパーの造形が新しい。16インチから19インチまで用意される、アルミホイールのデザインも一新されたという。

扱いやすいパワーとレスポンスが良い2.0 TSI

スタイリングは、ノーマルの他に、ライフとスタイルというパッケージ・ラインから選択できる。お好みで、サイドウインドウより上部で色が変わるツートーンを選べるほか、アルミ仕上げかブラック仕上げかで、ボディトリムをコーディネートできる。

今回試乗したのは、もう1つの選択肢になるRライン。雰囲気は、トップグレードのTロック Rに近づけてある。フロントバンパーにはグロスブラックのアクセントが与えられ、縦に長いデイライトとエアインテークは、ゴルフ Rの処理にも似ている。

フォルクスワーゲンTロック 2.0TSI 4モーション Rライン(欧州仕様)
フォルクスワーゲンTロック 2.0TSI 4モーション Rライン(欧州仕様)

試乗車のエンジンは、2.0L 4気筒ガソリンターボの2.0 TSI。駆動系は、7速デュアルクラッチATに四輪駆動の4モーションという組み合わせだった。

早速公道へ出てみると、とてもレスポンスが良く、パワーが引き出しやすい。6500rpmのレッドラインめがけて、積極的で滑らかに吹け上がる。低回転域では太いトルクで粘り強く、中回転域では力強い加速力を苦労なく得られる。

最高出力は190psで、0-100km/h加速は6.8秒がうたわれているが、全体的な印象はゴルフ GTIにも遠からず。最高速度は217km/hとなる。

ドライブモードは、エコとコンフォート、ノーマル、スポーツの4種類が基本。お好みの設定を登録できる、インディビジュアルも設定された。

トラクションやグリップには余裕がある。だが操縦性には、熱心なドライバーが納得するほどの一体感や、意思疎通のしやすさはないようだった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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