フランスのDSという唯一の個性と訴求力

ラグジュアリーなインテリアも、長時間を過ごしたいと思わせるもの。Eクラスほど広くはなく、スイッチ類などのデザインは個性的だが、素材は上質で組み立て品質も高い。

ダッシュボードの中央には、インフォテインメント用の大きなタッチモニターが備わる。もう少しメニュー構造がわかりやすく、反応も良ければ、と思うが。

乗り心地は素晴らしい。高速道路では、インテリアと同じくらい優雅に感じられる。ロードノイズや風切り音も、ほぼ聞こえてこない。PHEVだから、低負荷時に内燃エンジンを止め、駆動用モーターで静かに走ることも可能だ。

DS 9は、好みが分かれるチョイスではある。プレミアム・サルーンのPHEVとして、トップにランクインできるとまではいえない。アウディやBMW、メルセデス・ベンツというドイツ御三家が用意するモデルの方が、価格価値で勝ることは否めない。

それでも、E-テンス 250がライバルに一歩接近したことは確実。しかも、フランスのDSという、唯一の個性や訴求力は従来どおり。トップグレードのE-テンス 360より、魅力度は高いとも思う。

DS 9 E-テンス 250 パフォーマンス・ライン＋（欧州仕様）のスペック

英国価格：4万7100ポンド（約730万円）
全長：4934mm
全幅：1932mm
全高：1460mm
最高速度：239km/h
0-100km/h加速：8.1秒
燃費：83.3-90.9km/L
CO2排出量：27g/km
車両重量：1839kg
パワートレイン：直列4気筒1598ccターボチャージャー＋電気モーター
使用燃料：ガソリン
駆動用バッテリー：13.6kWh
最高出力：248ps/6000rpm（システム総合）
最大トルク：36.7kg-m（システム総合）
ギアボックス：8速オートマティック

画像　ラグジュアリー・サルーンの新・選択肢　DS 9 E-テンス 250　欧州での競合モデルも　全103枚