優れた収納力を持つ車内 アウディQ4 eトロン(6) 航続距離計算も正確 長期テスト

公開 : 2022.05.15 09:45

純EVでのプレゼンス拡大を狙うQ4 eトロン。電動時代における上級ファミリー・クロスオーバーの魅力を確かめます。

積算6794km 感心する車内の収納力

英国ではロックダウンが収まり、従来のように職場への自動車通勤が復活した。長期テスト車両は、途中でルーフラインの異なるスポーツバックへ切り替わったが、Q4 eトロンの印象は共通している。毎日の通勤にも乗りやすい。

クルマで過ごす時間が増えたことで、ディティールまで観察できるようになった。プラスの面もマイナスの面も、ゆっくり感じ取ることができる。

アウディQ4 eトロン・スポーツバック 40 スポーツ(英国仕様)
アウディQ4 eトロン・スポーツバック 40 スポーツ(英国仕様)

このクラスのクロスオーバーを選ぶ層は、往々にして家族がいて、荷物を運ぶ機会も少なくない。前回はQ4 eトロン・スポーツバックの広い荷室へ触れてみたが、手持ちの小物類も多いはず。アウディに限らず、フォルクスワーゲンでも同様だろう。

Q4 eトロンのフロント・ドアパネルの前方には、太めの水筒も収まるホルダーが付いている。センター・アームレストの下には、充分な容量の小物入れがある。

荷室フロアは、高さ調整が可能。ホイールアーチの手前側にも、意外に大きい小物入れが用意されている。車内の収納力には、感心させられる。

また、ダッシュボード中央とメーター用、2面のモニターのグラフィックは高精細。インフォテインメント・システムは、シンプルなメニューレイアウトでタッチ間違いが少なく、ユーザー・インターフェースも明瞭だ。

エアコン用に、実際に押せるハードボタンが残されている点も◎。タッチモニターに集約されることなく。

安心して遠出できる正確な航続距離

Q4 eトロンはシートも快適。座り心地に優れ、300km程度一度に運転しても、お尻や背中が痛くなることはない。ファブリックで仕立てられている点も、筆者の好み。寒い日でも、ヒーターで温まるまで冷たいレザーへ我慢する必要もない。

出発前に車内を暖めておけるのもうれしい。充電器につながずとも、駆動用バッテリーでまかなえる。

アウディQ4 eトロン・スポーツバック 40 スポーツ(英国仕様)
アウディQ4 eトロン・スポーツバック 40 スポーツ(英国仕様)

メーター用モニターに表示される航続距離は、かなり実際に近い。気温や運転の仕方などが変化しても数字を信じられるから、安心して遠出できる。電費は、肌寒い気温の日で4.5km/kWh。約350kmの航続距離が得られる。

温かい日には、6.4km/kWh近くまで電費が伸びる。これは、一度の充電で480km以上も走れる計算。長距離の自動車旅行でも充電計画を立てやすく、電気切れの心配も過度にする必要はないと感じている。

褒めるべき点が多いQ4 eトロンで、唯一まだ慣れないのが丸くないステアリングホイール。ほとんど6角形で、駐車時など切り返す時には今でも戸惑うことがある。

標準のQ4 eトロンには、円形の一般的なステアリングホイールが付く。これは285ポンド(約4万7000円)のオプションとなるのだが、あえて選ぶ必要はないように思える。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

長期テスト アウディQ4 eトロンの前後関係

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