ベントレー 新型ベンテイガEWB発表 ミュルザンヌ後継にロングホイールベースの超高級SUV

公開 : 2022.05.10 21:45

かつてのミュルザンヌの地位を引き継ぐ超高級SUV、ベントレー・ベンテイガEWBが欧州で発表されました。

ミュルザンヌに代わるフラッグシップ

人気の高級SUV、ベントレーベンテイガのロングホイールベース仕様が公開された。2020年に生産を終了したミュルザンヌに代わる、ベントレーの新たなフラッグシップと公式に位置づけられている。

「ベンテイガEWB(Extended Wheelbaseの略)」と命名された新型車は、その名の通りホイールベースが180mm延長され、広がったスペースはすべてリアキャビンの拡充に充てられている。ボディに合わせ、リアドアも大型化された。

ベントレー・ベンテイガEWB
ベントレー・ベンテイガEWB    ベントレー

ベントレーによると、「当面は」ツインターボのV8ガソリンエンジンのみを搭載するという。カラーリングやスタイリングにおいて新たな試みがなされ、その中でも特に目立つのは縦型ルーバーのグリルだ。

旋回性と高速安定性の向上のため、後輪操舵システムも導入されている。これは、2019年にフライングスパー、最近ではコンチネンタルGTに採用されたものだ。全長が長くなったにもかかわらず、回転直径は11.8mと、標準ホイールベースよりも0.6m小さくなっている。

ベンテイガEWBの発売により、超高級SUV市場におけるベントレーの存在感はさらに強まるだろう。昨年、ベントレーの記録的な年間販売台数(1万4659台、前年比31%増)の40%以上をベンテイガが占めた。同社は、ベンテイガ購入者の約45%がEWBを選ぶと予想している。

ベントレーは、2015年にベンテイガを発売して超高級SUV市場を開拓した。その後、ランボルギーニウルスロールス・ロイスカリナンなどライバルが続々と登場したが、その優位性は長く維持してきた。間もなく登場するフェラーリプロサングエは、市場をさらに拡大することになりそうだ。現在の市場規模は4万台だが、ベントレーは2020年代末までに5万台を超えるだろうと見込んでいる。

豪華な後席スペース 新機能も搭載

ベンテイガEWBは、リアのキャビンスペースを大きく広げているものの、シートの数は増えていない。豪華な独立シート、従来の3人掛けベンチシート、そして小さなジャンプシートを配置した「4+1」と呼ばれるレイアウトの中から選ぶことができるのだ。7人乗りの設定はない。

また、乗員の体温や表面湿度を感知して周囲の温度や風量を調節し、快適性を高めるクライメートシートが導入されている(オプション)。さらに、乗員の着座圧を感知し、快適性を高める「マイクロアジャスト」も可能だ。

ベントレー・ベンテイガEWB
ベントレー・ベンテイガEWB    ベントレー

ほかにも、複雑なダイヤモンドキルティング、LEDバックライト付きのドア・パーフォレーション(光量と色は調整可能)、リアキャビン用の独立したイオンシステムなど、「快適性への新しいフォーカス」と呼ばれる機能が数多く用意されている。

ベントレーは、EWBの仕様を標準モデルと同等にした場合、価格は約15%高くなると見込んでいるが、オプションの幅が広がるため、フル装備の場合は30万ポンド(約4800万円)を超えると思われる。EWBの生産はすでに開始されており、初夏の納車開始を目指している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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