トヨタ・ヤリス1.33 VVT-i アイコン

公開 : 2014.07.17 23:40  更新 : 2021.01.28 16:43

■どんなクルマ?

トヨタ・ヤリスのフェイスリフト版がヨーロッパの小型ハッチ試乗で生き残るには、ホンダ・ジャズや日産ノート、フォルクスワーゲンUp!などのライバルと比肩するレベルでなければならない。同クラスのトップに君臨するフォード・フィエスタとどのような戦いを繰り広げるのか、これもまた重要なポイントだ。

アイゴにも見受けられるX型のフロント・マスクが採用された点が今回のモデル・チェンジにおける目立った変更点だ。同時にトヨタは、サスペンションのセットアップ変更による動力性能の向上も約束するという。

1.0ℓと1.33ℓのガソリン・エンジン、1.4ℓのディーゼル・エンジン、1.5ℓのガソリン-電気ハイブリッドを含むラインナップは先代同様、我々がテストに借りだしたのは1.33ℓのモデルだ。

全4グレードのうち上から3番めに位置するアイコンは、先代と同じく一番の売れ筋になるだろう。£14,095(209万円)の車両価格には、15インチのアロイ・ホイールとリアビュー・カメラ、エアコン、トヨタ製タッチ2インフォテイメント・システムがブルートゥース接続とともに含まれる。

■どんな感じ?

ひとたび乗れば、改善を明確に感じ取ることができると同時にどこから見てもスマートで現代的だ。X型のフロント・フェイスはアイゴのそれから巧みにスワップされ、オプションのLEDデイタイム・ランニング・ライトを選択すれば可憐な外観に華を添えることになるだろう。

インテリアもエクステリアに負けないくらいの改良が行き届く。特にダッシュボードは全体を見直されたため以前よりも高級感が増している。柔らかい手触りの素材を取り入れたことにより、建て付けや仕上げにおける完成度も高まったように感じられた。

しかし荒いエッジや硬いプラスティックが相変わらず見受けられるのも事実。全体的にモダンな仕上がりになっているだけにこれらの欠点はかえって目立つようになっている。ただ全体的に見れば、ヤリスのキャビンが心強いセールス・ポイントになることは間違いない。

フロントのスペースは比較的広々としており、後部座席も短い距離の旅であれば大人でも快適なはずだ。トランクの容量は先代と同じくシートを起こした状態で286ℓ、シートを倒せば(ただし完全にフラットにはならない)768ℓまで拡大する。

先述したとおり、1.33ℓエンジンの中間グレードが総売上のトップになると見込まれる。実際にテストをしてみても、1.0ℓや1.4ℓ、1.5ℓを差し置いて売れるだろうと思えたのだが、同時にもう少し洗練されていても良いのではないだろうかとも思った。

静止状態の加速は鈍く、100km/hに達するまでには11.7秒も掛かる。これは1.0ℓのフォード・フィエスタ エコブーストよりも遅いのだ。

エンジン音も耳につき、全グレードの中で一番のパフォーマンスが望まれるだけにこれは何とも悲しい。キャビンには僅かながら振動も伝わってくる。

ノイズに関して言えば、トヨタは他のモデルと並行してキャビンの静粛性向上に力を入れてきた。ダッシュボードのサイレンサーや、カーペットの改善がその代表だ。全体的に見ればそれらの努力を感じることができるのだが、特にサイド・ミラーから生じる風切り音に関する改善は必須だ。

テスト車両には6速マニュアル・トランスミッションが組み合わされる。実用性に問題は無いのだが、市街地に焦点を当てたセッティングは高速道路ではひとつの問題を浮き彫りにする。110km/h前後で巡航する際には回転数が3000rpmに達するのだ。セミ・オートマティックを選ぶこともできるので、こちらを選んだほうが賢明かもしれない。

経済性に関してはこのクルマへの風当たりは幾分穏やかになり、CO2排出量は114g/km、燃料消費率は20.4km/ℓだ。

乗り心地とハンドリングの向上のために、リアのトーションビームの剛性は高められ、フロントのスプリングは柔らかさを増した。

こちらに関してもまた部分的には成功している。というのも先代に比べると間違いなく改善されているのだが、特にリア・タイヤは荒れた路面では落ち着きを失うからだ。

ステアリングは軽く、速度に比例して適度な重みを持つようになる。しかしながら、ヤリスの属するマーケットにから考えれば些細な問題かも知れないが、電子制御による機構は路面からの情報が伝わりにくい。コーナーでのロールも見過ごすことは出来なかった。

■「買い」か?

あなたの掲げる優先順位によるだろう。インテリアは飛躍的にレベル・アップしている。例えば最新のタッチ2インフォテイメント・システムは見た目もよく、使い勝手にも満足できる。ミラーリング機能も備わるため、スマートフォンさながらの操作も可能だ。

安っぽいプラスチック素材はこちらのテンションを下げかねないが、総じて高いレベルに到達しているのも事実だ。

日産ノートやクラスを代表するフォード・フィエスタに一歩譲るのは、ヤリスの動力性能である。市街地を出れば、やはり1.33ℓのエンジンにはもう少しパワーを求めてしまうのだ。

もちろんヤリスはさほどパワーを必要としない市街地での使用をメインに考えられたクルマではあるけれども、市街地でも高速道路でもやり過ごせる能力を持つライバルに比べると、他を凌ぐほどの競争力があるとは言い切れない。

(ダレン・モス)

トヨタ・ヤリス1.33 VVT-i アイコン

価格 £14,095(245万円)
最高速度 175km/h
0-100km/h加速 11.7秒
燃費 20.4km/ℓ
CO2排出量 114g/km
乾燥重量 1030kg
エンジン 直列4気筒1329cc
最高出力 99ps/6000rpm
最大トルク 12.7kg-m/4300rpm
ギアボックス 6速マニュアル

▶ 海外初試乗 / トヨタ・ヤリス・ハイブリッド

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