時代先取りだったHVの2+2クーペ ホンダ CR-Z 英国版中古車ガイド シャシー性能は◎

公開 : 2022.08.24 08:25

新車時代のAUTOCARの評価は

手頃な価格とスタイリングだけでも、CR-Zは魅力的に感じられる。電気モーターのアシストを実感できる、ドライビングフィールも興味深い。運動エネルギーが電気エネルギーへ変換されるのがわかる、メーターパネルは見ていて面白い。

スポーツ・モードを選択すれば、ドライビング体験は適度に高められる。エコに配慮されたコンパクトモデルであることを考えれば、印象的なほど。

ホンダCR-Z(2010〜2017年/英国仕様)
ホンダCR-Z(2010〜2017年/英国仕様)

グリップ力は高く、小さなボディロールで軽快に回頭していく。動力性能は控えめだとはいえ、充分に楽しい。スタイリッシュで、ドライビング体験は従来のモデルとは一味違うもの。思わず惹かれてしまう魅力的なモデルだ。(2012年3月27日)

オーナーの意見を聞いてみる

サイモン・クラーク氏:ミッドランド・ホンダ・サービス代表

「信じられないほどの信頼性を備えた、小さなクーペです。過去数年間で不具合として聞いているのは、テールゲートのキャッチャーや雨水の排水経路など、マイナーなものしかありません。フロントブレーキのディスクとパッドは、16万km位は使えるようです」

ホンダCR-Z(2010〜2017年/英国仕様)
ホンダCR-Z(2010〜2017年/英国仕様)

「i-VTECと呼ばれるガソリンエンジンは、タイミングチェーンで耐久性も高い。ただし、ハイブリッド・システムのメンテナンスは、充分な知識を持った専門家でなければ難しいでしょう」

「チューニングも可能なようですね。サーキットで楽しんでいるオーナーも知っています。彼はコイルオーバー・サスペンションを組んで、ブレーキをアップグレードして乗っていますよ」

購入時に気をつけたいポイント

エンジン

i-VTECと呼ばれる1.5Lのガソリンエンジンは、1年毎か2万km毎のオイル交換が英国では指定されている。信頼性は高いようだ。

ハイブリッドシステム

始動後に駆動用バッテリーの警告灯が消えることを確かめる。可能なら試乗して、エコ、ノーマル、スポーツという3種類のドライブモードを切り替え、変化があるか確認したい。ハイブリッドシステムにも、定期的な点検は必要だ。

ホンダCR-Z(2010〜2017年/英国仕様)
ホンダCR-Z(2010〜2017年/英国仕様)

駆動用バッテリーは、充電されていれば3回程度のフル加速へ不足ないアシストを加えてくれる。バッテリーのヘタリ具合や充電状況を確かめるため、できれば長めの試乗をしたいところ。

トランスミッション

6速MTはシフトフィールがいい。軽く機械的にコクリと変速できる状態が正解。クルージング時に高いギアへ入れ、エンジンの回転数が不意に変化しないか確かめる。変わる場合は、クラッチが減っている証拠。

ブレーキとサスペンション

CR-Zのブレーキは、あまり効きが良くない。寿命は長いので摩耗具合は確かめたい。

サスペンション・ブッシュが劣化すると、足まわりからコツコツと音が出てくる。フロントタイヤを切り、ドライブシャフト・ブーツの状態を確認する。

ボディとホイール

テールゲートが正常に開閉するか確認する。稀に不具合が報告されている。アルミホイールは、ガリ傷が付きやすいようだ。

電気系統

すべての電装系が正常に動くか確かめる。アイドリングを長くすると、エアコンから温風が出てくることがある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ピアソン

    Mark Pearson

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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