お見積りはエントリーグレードで ジェネシスGV80 2.5Tへ試乗 温和な大型SUV

公開 : 2022.09.14 08:25

ヒョンデの上級ブランド、ジェネシスの大型SUVがGV80。22インチ・ホイールの上級グレードを英国編集部が評価しました。

ガソリンの選択肢は2.5L 4気筒ターボのみ

ヒョンデの上級ブランド、ジェネシスは、ドイツや英国の上級ブランドへ並ぶ地位を獲得したいと望んでいる。バッテリーEV(BEV)を投入すれば、その成就へ一歩近づくだろう。しかし今のところ、内燃エンジンのラインナップは充分ではないようだ。

ジェネシスの大型SUVでディーゼルエンジン以外の選択肢を求める場合、英国で選べるのは2.5Lターボの4気筒のみ。優れたダイレクト・インジェクション技術で最高出力304psを発揮するものの、車重は2145kgあるから、余裕しゃくしゃくとはいえない。

ジェネシスGV80 2.5T AWDラグジュアリー(英国仕様)
ジェネシスGV80 2.5T AWDラグジュアリー(英国仕様)

このクラスになると、現在の競合メーカーは6気筒エンジンを用意していることが多い。ボルボXC90を除いて。

GV80の場合、エントリーグレードとなるプレミアムを選択すれば、6気筒エンジンのライバルモデルより英国価格はお手頃になる。だが、今回試乗したトップグレードのラグジュアリーとなると、そうはいかない。

プレミアムでもラグジュアリーでも、シャシーの仕様は同一。カメラ制御で減衰力を調整するアダプティブダンパー付きのコイルサスに、リア側へ主軸が置かれた四輪駆動システムを採用。オプションで電子制御のLSDも選択できる。

グレードの違いで走りに影響する点といえば、アルミホイール。プレミアムでは20インチとなるが、ラグジュアリーには22インチが標準で装備される。

広々としていて高級感が漂うインテリア

ボディサイズは全長4945mm、全幅1975mm、全高1715mmと大きく、シャシー側は温和な性格付けが与えられている。車内は広々としていて装備は充実し、内装素材も上質。高級感が溢れるなかで、静かに滑らかに運転できる。

ジェネシスがエルゴモーションと呼ぶ、最上級のドライバーズシートをオプションで指定すれば、ヒーターとベンチレーション、調整可能なサイドボルスター、マッサージ機能も付いてくる。

ジェネシスGV80 2.5T AWDラグジュアリー(英国仕様)
ジェネシスGV80 2.5T AWDラグジュアリー(英国仕様)

適正なドライビングポジションを取れ、運転席からの視界は良い。カメラ映像やセンサーがドライバーを助けてくれるから、込み入った英国の路地でも思いのほか扱いやすい。

リアシート側の空間にも不足はない。セカンドシートは前後にスライドでき、リクライニングだけでなく完全にフラットにもたためる。3列目シートも用意されるが、2列レイアウトの場合は荷室も広大だ。

ダッシュボード上部には大きなタッチモニターが据えられるのと同時に、実際に押せるハードボタンも多く、直感的に各機能を操作できる。センターコンソールには大きなロータリー・コントローラーがあり、インフォテインメント・システムも扱いやすい。

メーターパネルもモニター式だが、3D効果は好ましく感じられなかった。オフにしても、情報が見にくくなったり不足することはない。ギアセレクターはガラスで装飾され、重厚感がある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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