ランボルギーニ・カウンタックが高騰 高額落札のワケは? 北米オークションを解説

公開 : 2022.09.03 15:15

カウンタックが北米オークションで1億円超えの評価に! 出品された2台の入札動向から、相場が高騰していることがうかがえます。

昔は安かったのに 10万ドルの時期も

今年のモントレー・オークションは見所満載だったが、その中でさり気なく人気を高めていたモデルがあった。それがランボルギーニカウンタックである。

RMサザビーズ・モントレー・オークションに出品された1984年製のランボルギーニ・カウンタックLP5000 Sこそが、予想を大きく超える高額で落札された車両だ。

今年のRMサザビーズ・モントレー・オークションに出品された1984年製のランボルギーニ・カウンタックLP5000 S。
今年のRMサザビーズ・モントレー・オークションに出品された1984年製のランボルギーニ・カウンタックLP5000 S。    RMサザビーズ

ここでは高額で落札されたワケを検証してみた。

カウンタックと一言で言っても、モデルごとの評価額は大きく変わる。

最初期型のLP400は生産台数152台という希少性と、オリジナル・デザインのピュアなスタイリングを備えるだけに、2015年には100万ドルを超えるアイテム車となった。

LP400以後のモデルはマイナーチェンジのたびにオーバー・フェンダー、スポイラー、エアロパーツが追加されて、年を追うごとに扱いやすさとアグレッシブな姿へと変わってゆく。

生産台数は400 Sが237台、5000 Sが321台、5000 S QVが610台、最後を締め括る25thアニバーサリーは657台を製作。限定車ではないが合計でも1977台が作られたに過ぎない。

2014年のオークションバブル以前は、QVやアニバーサリーといえど不人気で、10万ドル以下で落札されることも。近年は20~30万ドル前後の現実的といえる額で取引されていた。

生産台数が少ない400 Sや5000 Sについては、QVやアニバーサリーよりちょっと高い28~45万ドルという価格帯であった。

高額落札となったポイントは?

今回出品されたカウンタックは、1984年製のLP5000 S。新車でスイスにデリバリー後、3人のオーナーを経て2009年にイギリスに渡る。その後眠り続けていたヒストリーを持つ。

何よりの特徴は、レッドが主流だった当時に希少なホワイトのボディカラーにホワイトのインテリアという伊達な組み合わせにある。このコーディネートが、現代の嗜好にマッチしたことが高額落札された要因の1つ。

白の外装色と白のインテリアが評価ポイントの1つと筆者。
白の外装色と白のインテリアが評価ポイントの1つと筆者。    RMサザビーズ

2つ目のポイントはオリジナル・デザインのヨーロッパ仕様であること。

アメリカ仕様のカウンタックは、安全基準のため武骨で大きなバンパーが備わり、スタイリングをスポイルしていたからだ。

走行距離は誕生から38年が経過するが、わずか5495kmがオドメーターに刻まれているだけ。これも大きな評価ポイントだ。出品に際して完璧な整備が施されていることも後押しする。

記事に関わった人々

  • 執筆

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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