ボルボ新型『EX60』 航続距離700km超? EV版XC60、シルエット初公開

公開 : 2025.09.05 18:45

ボルボは新型EV『EX60』のサイドシルエットを写した予告画像を公開。来年1月21日に正式発表予定としました。ベストセラー車XC60のデザインを踏襲しつつ、中身は先進的な最新プラットフォームを採用しています。

ベストセラーSUVのデザイン踏襲

ボルボは、今後の製品ラインの「柱」と位置付ける新型EV『EX60』は来年1月に発表する。既存のXC60に相当するミドルクラスSUVで、1回の充電での航続距離は700km以上となる見込みだ。

これまでにも何度か予告画像が公開されてきたが、今回ついにサイドシルエットを示す新画像が公開。さらに、2026年1月21日にスウェーデンのストックホルムで発表されることも明らかになった。

『EX60』の予告画像
『EX60』の予告画像    ボルボ

EX60の生産は来年上半期、ヨーテボリにあるトルスランダ工場で開始される予定だ。

シルエットからは、ボルボのベストセラー車でもある内燃機関搭載XC60の形状をほぼそのまま踏襲していることがわかる。大型SUVのEX90と同様の「トールハンマー」デザインを採用した細長いヘッドライトも確認できる。

ボルボは、EX60が「最新の技術基盤」を採用し、「従来のボルボ車を上回る航続距離を実現する」と述べた。このことから、106kWhバッテリーで航続距離700km(WLTP)を見込むES90を凌ぐ性能となる可能性がある。

EX60が採用する技術基盤とは、高い拡張性を備えたボルボのSPA3プラットフォームである。事実上、EX90やES90を支えるプラットフォームの後継となるものだ。この新プラットフォームは、小型車から大型車まで幅広いモデルに対応できるほか、さまざまなバッテリーサイズにも対応可能だ。

EX90やES90と同様に、EX60も先進的なソフトウェアスタックを中核に設計される。これにより、購入後も無線アップデートや追加機能の導入が可能となる。

ボルボの技術責任者であるアンダース・ベル氏は、SPA3プラットフォームを「100%電気で、100%ボルボ・カーズ」と表現した。親会社である吉利グループのプラットフォームを使用するEX30との違いを強調した形だ。

EX60でもう1つ注目すべきは、ボルボとして初めてメガキャスティング技術を導入するという点だ。メガキャスティングは、車両の大きなセクションを単一パーツとして製造することができる技術で、SPA3プラットフォームのモジュール性とあわせ、コスト削減を図る。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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