オンロードとオフロードの見事なブレンド

今回はオフロードもP530で走ってみた。その走破性は極めて驚かされるもので、片側のタイヤが浮くような場所でも急な勾配でも、見事なまでにトラクションが保たれていた。ライバルが到達できないような場所へ、いともたやすくドライバーを運んでくれる。

最小回転直径を11m以下にする、後輪操舵システムの効果もいかんなく発揮される。遥かにコンパクトなSUVのように、立木を避けながら行く先を目指せる。

キャンピングトレーラーなど、牽引可能な重量は3500kgまで。PHEVでは3000kgに制限される。

先代から大きく重くなったレンジローバー・スポーツだが、ジャガー・ランドローバーの最新モデルらしく、操縦性や動的能力に間違いはない。カイエン並みのスポーティさはないものの、ドライバーが満たされる体験を享受できる。

レンジローバーとレンジローバー・スポーツとの間で、わかりやすい違いを感じられないことも確かではある。高性能なSVR仕様が登場すれば、差別化が明確になるのかもしれない。

最新のレンジローバー・スポーツへ与えられた絶妙な質感は、経験豊かなブランドならでは。オンロードとオフロードの、偉業と呼べるほど見事なブレンドだと思う。

ランドローバー・レンジローバー・スポーツ P510e（欧州仕様）のスペック

英国価格：10万8600ポンド（約1791万円）
全長：4946mm
全幅：1990mm
全高：1820mm
最高速度：241km/h
0-100km/h加速：5.4秒
燃費：110.8-125.0km/L
CO2排出量：18-20g/km
車両重量：2735kg
パワートレイン：直列6気筒2996ccターボチャージャー＋電気モーター
使用燃料：ガソリン
最高出力：510ps/5500-6500rpm（システム総合）
最大トルク：56.9kg-m/5000rpm（システム総合）
ギアボックス：8速オートマティック

画像　新型レンジローバーとレンジローバー・スポーツ　競合する上級SUVと比較　全160枚