ジープの電動化のキモは「4xe」 本格オフローダーブランド、SUV電動化時代をどう生きる?

公開 : 2022.09.12 05:45

ジープブランド4xeデーでSUV電動化計画を発表。オフローダーのイメージの強いジープは電動化時代をどう生き抜くのか解説します。

四輪駆動の再定義 ジープの「4xe」

ジープの電動化に向けた流れがより明確になってきた。

ステランティスは2022年9月8日、「ジープブランド4xeデー」と称するオンライン動画を日本を含むグローバル向けに公開した。

ステランティスは「ジープブランド4xeデー」と称するオンライン動画を公開した。
ステランティスは「ジープブランド4xeデー」と称するオンライン動画を公開した。    ステランティス

4xe(フォー・バイ・イー)は、ジープがこれまで培ってきた4×4という四輪駆動技術を、次世代に向けて再定義したものだ。

4xeの仲間として、日本ではすでにプラグインハイブリッド車の「レネゲート4xe」が発売されている。

日本でも今後、ジープの新たなる挑戦としての電動化が加速していくのだろうか?

今回「ジープブランド4xeデー」で明らかになった内容を深堀りして、これからの日本での4xeの展開を予想してみたい。

まずは、ステランティスの電動化戦略の基本について触れる。

それが、2022年3月1日に発表した事業方針「ディア・フォワード2030」だ。

この中で、2038年までにステランティス全体としてのカーボンニュートラルを達成することを掲げている。

こうしたカーボンニュートラルに対する動きは、ステランティスに限らず、日系メーカーを含めて世界的に加速している印象がある。

その背景には、なにがあるのだろうか?

そもそも、地球温暖化という大きな社会課題については、国連が1990年代から気候変動に関する国際会議(COP)を開催し、その中で将来に向けた目標を数値化するようになった。

2000年代まで 中心は「アウトドア」

1997年には京都で開催された会議で決議された「京都議定書」がきっかけとなり、自動車メーカーも将来の事業計画の中で環境問題について真剣に取り組むようになる。

日本では90年代後半に、世界初の量産型ハイブリッド車「プリウス」が登場。

ジープブランドのラングラーは日本でも高い人気を誇る。
ジープブランドのラングラーは日本でも高い人気を誇る。

2000年代に入ると、燃料電池車の開発が世界各地で進み、そうした中で米カリフォルニアではメーカー各社が共同して燃料電池車の実証試験をおこなうようになる。

こうした中で、ジープもモーターショーなどでパワートレインの電動化を想定したコンセプトモデルを公開するようになる。

そんな2000年代半ばから後半の時点では、いまや世界のBEV業界をリードする立場となったテスラは、初代「ロードスター」事業を軌道に乗せることに苦慮する、ごく小さなベンチャー企業に過ぎなかった。

ジープとしても2000年代までは、電動化を一気に進めようという流れではなく、ラングラーを中核としたアウトドアブランドを着実に浸透させていくことに注力していた。

また、ハイブリッド車については、欧米メーカーでは構造が比較的シンプルな48Vマイルドハイブリッドを一部モデルに導入するにとどまっていた。

BEVについては、2009~2010年にかけて、大手メーカー初となる日産リーフ」と三菱「アイ・ミーブ」が登場している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?

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