航続357kmへ向上 ヴォグゾール(オペル)・コルサ-e アニバーサリーへ試乗 魅力は不変

公開 : 2022.10.12 08:25

英国オペルのBEVハッチバック、コルサ-eが小変更で性能アップ。40周年の記念仕様を英国編集部が評価しました。

初代コルサの発売から40年を記念

英国オペルヴォグゾールがラインナップする、小さなバッテリーEV(BEV)のコルサ-e。今回試乗したのは新しいアニバーサリーエディションで、レッドのボディ塗装にタータンチェックの内装でコーディネートされている。1000台の英国限定だという。

ただし、コルサ-eを記念したアニバーサリーではない。コルサ自体の発売から40年を祝っている。このBEV版は2020年に販売がスタートしている。

ヴォグゾール(オペル)・コルサ-e アニバーサリーエディション(英国仕様)
ヴォグゾール(オペル)・コルサ-e アニバーサリーエディション(英国仕様)

とはいえ、2022年仕様として改良も受けた。BEVの技術開発は早く、若干だが航続距離が伸ばされている。

ちなみに、英国のヴォグゾールがコルサというモデル名でコンパクト・ハッチバックを売り出したのは1993年になってから。その時の経営陣が、「より粗悪な」を意味する英語のcoarser(コーサー)と発音が似ていることを心配し、独自のモデル名が与えられていた。

ドイツでコルサを名乗ったハッチバックは1982年に発売されたが、英国ではノヴァと呼ばれていた。名前は違えど、このモデルの登場から40年を迎えたことは事実。6代目の最新版は販売好調で、2022年は英国のベストセラーに加わっている。

BEV版もその1つに含まれるから、お祝いしたい気分もよく分かる。

レットとブラック、チェック柄でコーディネート

記念仕様のコーディネートの元ネタとなったのも、初代コルサのノヴァ。レコード・レッドと呼ばれる塗装は、ノヴァの人気色だったカーマイン・レッドに影響を受けている。タータンチェックの内装も、当時の装備の1つだった。

赤いボディにチェック柄のシートと聞くと、フォルクスワーゲン・ゴルフ GTIを思い浮かべる読者もいらっしゃるだろう。とはいえ、コルサ-eとしての仕上がりも悪くない。

ヴォグゾール(オペル)・コルサ-e アニバーサリーエディション(英国仕様)
ヴォグゾール(オペル)・コルサ-e アニバーサリーエディション(英国仕様)

ベースとなっているのはミドルグレードのSEで、装備は充実している。見た目を引き締めるブラックのアルミホイールは17インチで、フロントグリルやボディトリムもブラックで統一されている。

ペダルはアルミカバーで覆われ、ダッシュボードにはシリアルナンバーが記されたプレートがあしらわれる。バックカメラとシートヒーターも装備している。専用ノベルティも面白い。タータンチェック柄の限定靴下が付いてくるという。

果たして、アニバーサリーエディションの仕上がりはライトなホットハッチ風だ。

価格はベースのコルサ-e SEより700ポンド(約12万円)高い3万1000ポンド(約511万円)となった。トップグレードのコルサ-eより安いとはいえ、免許取り立てのドライバーが乗るクルマとしては少々お高い。その点では、初代のノヴァとは異なる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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