自然吸気5.5L V8を新開発 シボレー・コルベット Z06へ試乗 680psの豪快な加速力

公開 : 2022.10.19 08:25  更新 : 2022.10.19 13:47

ミドシップ化された最新C8コルベットに、ハードコアなZ06が登場。英国編集部が北米でその実力を確かめました。

自然吸気の5.5L V8エンジンを新開発

先代のC7型シボレーコルベット Z06に搭載されていたのは、スーパーチャージャーで過給された、プッシュロッドのスモールブロックV8エンジンだった。しかしミドシップ化された現行のC8型には、違う心臓をシボレーは与えている。

サーキットに焦点が向けられた最新のコルベット Z06へ搭載されるのは、新開発の5.5L V型8気筒自然吸気ユニット。フラットプレーン・クランクとツインカム・ヘッドを与え、680psもの最高出力を絞り出す。

シボレー・コルベット Z06(北米仕様)
シボレー・コルベット Z06(北米仕様)

このご時世に、大排気量の内燃エンジンを新しく開発している。しかも、自然吸気なのだ。現在のシボレーは挑戦を好むらしい。

ほかにも通常のコルベットから多くの変更が加えられているが、Z06の性格を決定づけているのが、このV8エンジン。アイドリング時からレーシングカーのように騒々しく、8500rpmまで鋭く吹け上がる。フェラーリのようなサウンドも響かせる。

自然吸気ということで、低回転域のトルクは若干細い。だが、扱いにくいと感じることはない。トランスミッションは通常のC8型コルベットと同じ、8速デュアルクラッチ・オートマティック。ドライブモードに応じて、変速マナーが変化する。

一層ハードコアなZ07パッケージも

4000rpmを超えた辺りからパワーが高まり、モニター式のメーターパネルに描かれるレブカウンターの針がレッドゾーンへ触れるまで、その勢いは増す一方。コルベットはスーパーカーなのだと、訴えかける凄みがある。

シボレーによれば、0-97km/h加速を2.9秒でこなすという。実際の豪快な加速力を味わうと、好条件時の数字ではないように思えるほど。

シボレー・コルベット Z06(北米仕様)
シボレー・コルベット Z06(北米仕様)

コルベット Z06には2種類のボディが用意される。1つは、取外し可能な大きなルーフパネルを備えたタルガ・スタイルのクーペで、他方はリトラクタブル・ハードトップを備えた45kg重いコンバーチブルだ。ボディのねじり剛性は変わらないという。

コンバーチブルの場合はガラス製のエンジンカバーではなく、ボディと同色のデッキパネルで覆われる。外からV8ユニットの勇姿を眺めることはできない。

一層ハードコアな、Z07パッケージも用意される。Z06は通常のコルベット比で30%スプリングレートが高いが、さらにサスペンションは引き締められる。カーボンセラミック・ブレーキとミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2も装備される。

オプションとして、最大で330kgのダウンフォースを得られるエアロパッケージも選べる。大きくそびえるリアウイングが特徴だろう。1本5kg軽量なカーボンファイバー製ホイールも、追加費用で選択できる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マイク・ダフ

    Mike Duff

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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