A7 スポーツバックのサルーン版 アウディA7 L クワトロへ試乗 PHEV版が欲しい

公開 : 2022.11.07 08:25

隣国限定となる、アウディA7のロングホイールベース版。われわれも欲する内容なのか、英国編集部が評価しました。

A7 スポーツバックのサルーン版

中国の上海汽車集団、SAICモーターとフォルクスワーゲンによるジョイントベンチャーで生産される中国限定サルーンが、今回ご紹介するアウディA7 Lだ。ザックリいえば、A7 スポーツバックのサルーン版といえる。

サイドビューは5ドアクーペのスポーティな雰囲気を残しているが、観察すると多くが異なることがわかる。2014年に公開されたアウディのコンセプトカー、プロローグから展開した雰囲気を漂わせている。

アウディA7 L 55TFSI クワトロ Sライン・エディション1(中国仕様)
アウディA7 L 55TFSI クワトロ Sライン・エディション1(中国仕様)

中国生産のアウディとしては、過去最大のモデルとなる。全長は5046mmあり、ボディサイズは現地で生産されるA6のロングホイールベース版と、輸入されるA8との中間に位置する。

今回試乗にお借りしたのは、1000台限定のエディション1。A7 Lの発売を記念した特別仕様だという。

スタイリングは均整が取れており、21インチのRSアルミホイールによって、美しさが引き立てられている。ブルーグリーンのボディ色も印象的だ。

ドアを開くと、このクラスのアウディで見慣れたダッシュボードが迎えてくれる。触れるとカチカチと感触がある、触覚フィードバックを実装した大型タッチモニターが、多くの車載機能のインターフェイスになっている。

エアコンは、その下にある独立したタッチモニターで操作する。常時項目が表示されているから、使い勝手は良い。

上級モデルとして装備には不満あり

A7 L エディション1の場合、ライトブラウンのレザーシートに内蔵されるのはヒーターのみ。このクラスで欲しい、ベンチレーションやマッサージ機能は省かれている。USB-Cポートは利用できるが、ワイヤレスのスマートフォン充電機能も備わらない。

試乗車のインテリアは、天井の内張りがグレーで少しぼやけた印象だった。足もとの空間は広々としているものの、3名がけのリアシート側は傾斜したルーフラインの影響で、頭上空間に限りがある。

アウディA7 L 55TFSI クワトロ Sライン・エディション1(中国仕様)
アウディA7 L 55TFSI クワトロ Sライン・エディション1(中国仕様)

車内には大きなセンタートンネルが走り、中央の席に座りたがる人は少ないはず。身長が180cmを超える大人の場合は、フロントシートの方が快適だろう。

ドアを開くと、「Edition One」と文字が路面に投影される仕掛けが付いていた。大きなアウディとして、ユーザーの満足度を高める小ワザといえるが、実用的な装備面を拡充した方が効果的に思える。

ヘッドアップ・ディスプレイとバング&オルフセン社のサウンドシステムは、エディション1の標準。しかし、A7 L エディション1ではアダプティブ・クルーズコントロールなどの機能はオプション扱いだ。

トランクリッドを開くと、荷室は広大。最近では珍しく、ちゃんとフロア下にスペアタイヤが積まれていた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・アンドリュース

    Mark Andrews

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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