アバルト初のEV「500」 プロトタイプ発見 フィアットの高性能版、2023年登場予定

公開 : 2022.11.04 18:25

フィアット500 EVのアバルト仕様が開発の最終段階に入っています。欧州で目撃されたプロトタイプは、ワイドでアグレッシブなプロポーションとなっていました。アバルト初のEVとして2023年に発表される見通しです。

フィアット500 EVの高性能バージョン

アバルトは、EVのフィアット500をベースとした高性能モデルの開発を進めている。2023年のデビューに向け、開発は最終段階に入っているようだ。今回、テスト走行中のプロトタイプが欧州で目撃された。

プロトタイプはカモフラージュされていたが、専用デザインのフロントバンパーとリアスポイラーを装着し、標準よりもワイドなプロポーションとなっていることが確認できる。

欧州の郊外で目撃されたアバルト「500」のプロトタイプ
欧州の郊外で目撃されたアバルト「500」のプロトタイプ    AUTOCAR

フィアットおよびアバルトのCEOを務めるオリビエ・フランソワは今年初め、AUTOCARの取材に対し、アバルトの販売モデルを常時1~3台揃えたいと語った。

「1年半前、わたしは(500の電動アバルト仕様を作るのは)それほど難しいことではないと発言しました。EVは、もう運転するのがとても楽しいんです。アバルトはEVに積極的に取り組んでおり、比較的早く実現するでしょう」

「『悪いニュース』は、思ったよりも複雑だということです。真のアバルトを作るためには、同じ電動パワートレインではダメなんです。必要なパワーとトルクを手に入れたら、ドライブトレインもトランスミッションもブレーキも同じというわけにはいきません。すべてを適合させなければならないのです」

さらに、フランソワCEOは正式発表に先立ち、最終的なテスト走行を実施中であることも明らかにしている。

「素晴らしいものになると思います。音も面白くなりそうです。無音かそうでないかの選択もできるでしょう」

また、開発においてはアバルトのファンコミュニティが重要な役割を果たすという。

「マーケティングに関して言えば、フィアットとはまったく違うブランドです。アバルトファンはフィアットを買いませんし、その逆も然り。500という1台のクルマで、まったく異なる2つのターゲットが存在するのです」

「当社はコミュニティを活用し、彼らを開発に巻き込んでいくつもりです。そのためにソーシャルメディアは理想的なツールです」

EVのフィアット500は、0-100km/h加速9.0秒、最高速度150km/h、航続距離320kmとされている。アバルト仕様では、0-100km/h加速7.0秒以下、最高速度160km/h以上を目指すとのことだが、航続距離は若干短くなるだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    レイチェル・バージェス

    Rachel Burgess

    英国編集部ライター
  • 翻訳 / 編集

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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