【詳細データテスト】レンジローバー・スポーツ 圧倒的な静粛性 十分以上のパワー しなやかな走り味

公開 : 2022.11.12 20:25  更新 : 2022.12.02 04:42

3代目レンジスポーツのディーゼルMHEVは、非常に完成度の高いクルマでした。重さやタイヤセレクトの影響で目を見張るような速さはありませんでしたが、バランスのよさや静粛性はライバルの追随を許さないものがあります。

はじめに

レンジローバー・スポーツは、もしかしたら21世紀におけるもっとも意義深い英国車かもしれない。フルサイズのレンジローバーはこのブランドの本尊とも言えるもので、ディスカバリースポーツは販売台数的に見れば稼ぎ頭だ。しかしレンジ・スポーツは、グローバル市場における販売台数と、高級車ならではの利益率を両立し、ランドローバーにとって重要な意味のあるモデルとなっている。

このクルマは2004年の誕生時、レンジローバーが持つサブブランドとしての眠っていたポテンシャルを見せつけた。そのことが、その後のイヴォークやヴェラールの登場につながり、ランドローバーのラインナップ拡充をもたらした。また、ハイパフォーマンスバージョンであるSVRがこのモデルで導入され、その後に道筋をつけた。

テスト車:レンジローバー・スポーツD300ダイナミックSE
テスト車:レンジローバー・スポーツD300ダイナミックSE    MAX EDLESTON

さらには、現代のランドローバーにおける、ありったけのアドバンテージを備えたパーフェクトなモデルだ。フルサイズモデルに由来するレンジローバーブランドの輝きを持ちながら、それよりは価格を抑えている。

さらにはよりすぐりのエンジンや、先進的なサスペンションと4WDシステムを、レンジローバーとディスカバリー、そしてディフェンダーから受け継いでいる。しかも、それらのテクノロジーを、既存モデルのどれよりもダイナミックなオンロード性能に照準を合わせて使える自由が与えられた。じつに多くのオーナーにとって、これこそ狙いのはっきりした、ベストなレンジローバーとなったのである。

今回テストするのは、第3世代に当たる新型レンジスポーツだ。このクルマは、電動化へと思い切って前進した。先代にもプラグインハイブリッド仕様は存在したが、今回は2種類のPHEVを揃え、110kmほどのEV走行も可能。しかも、2024年にはレンジスポーツ初のフル電動車も追加される。

テスト車は、ほぼエントリーモデルとなるディーゼルのマイルドハイブリッド。このクルマが見せてくれる未来像はいかなるものか、探ってみたいと思う。

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