2022年クルマの通信簿 スタートダッシュを決めたのは? シエンタ、エクストレイルなど人気モデルの実力比較

公開 : 2022.12.31 05:45

人気ジャンル「SUV」の成績は?

SUVの話題の新型車はトヨタの「クラウンクロスオーバー」、日産の「エクストレイル」、マツダの「CX-60」の3モデルだ。

まずは、「クラウン・クロスオーバー」の数字から見てみたい。販売の目標は3200台/月だ。

クラウン・クロスオーバー

日産エクストレイル
日産エクストレイル

9月:1246台
10月:2556台
11月:2062台
合計:5864台

目標となる3200台×3か月の9600台には、まだまだという結果になってしまったようだ。

続いて7月に発売となった「エクストレイル」はどうだろうか。

エクストレイル

8月:2151台
9月:3395台
10月:1761台
合計:7307台

日産からは8月に「発売2週間で受注1万2000台突破」のリリースが出ている。これは歴代のエクストレイルでは最速とか。その発表を鑑みると、どうやら受注に生産が追い付いていない状態といえるだろう。

SUVの最後のモデルは「CX-60」だ。発売は9月から。そして目標は2000台/月だ。

CX-60

9月:813台
10月:1738台
11月:1405台
合計:3956台

目標となる3か月で6000台には届かなかったようだ。

今年の顔 話題の軽EVは?

軽自動車では日産の「サクラ」と三菱の「eKクロスEV」の兄弟EVと、ダイハツの「ムーヴ・キャンバス」となる。

このうちEVである「サクラ」と「eKクロスEV」はどうかといえば、以下のような結果となった。

サクラ

日産サクラと三菱eKクロスEV
日産サクラと三菱eKクロスEV

7月:3319台
8月:3523台
9月:4247台
合計:1万1089台

eKクロスEV

7月:552台
8月:597台
9月:1058台
合計:2207台

この2台の数字はEVとしてはなかなかの数字だ。

特に「サクラ」の毎月3~4000台というのは国内EVでは最多となる。

ただし、軽自動車の販売ランキングのトップをゆくのはホンダの「Nボックス」で、その販売台数は1~11月の累計で18万5437台。

月あたりで計算すると1万6000台のペースとなる。月に3~4000台の「サクラ」の場合、軽自動車の販売ランキングでは11位以下という状況だ。

目標クリアしたのはシエンタ

話題のモデルの発売後3か月の売れ行きを見てみると、意外とみな苦戦しているようだ。

その中でも突出した結果を残したのは「シエンタ」と言えるだろう。目標をクリアするだけでなく、登録車全体のランキングでも10月に2位に食い込んでいる。

トヨタ・シエンタ
トヨタ・シエンタ

また、日産「サクラ」は軽自動車として見れば多いわけではないが、EVと考えれば、2か月で1万台超という結果は上々といえるもの。さすが、日本カー・オブ・ザ・イヤーとRJCカー・オブ・ザ・イヤーの2冠を得ただけの実力といえるだろう。

とはいえ、今年の結果は人気のあるなしというよりも生産の都合が結果に大きな影響を与えているという側面も大きい。

真の実力はコロナ禍による生産の混乱がおさまった後にようやく見えてくるのではないだろうか。

記事に関わった人々

  • 執筆

    鈴木ケンイチ

    Kenichi Suzuki

    1966年生まれ。中学時代は自転車、学生時代はオートバイにのめり込み、アルバイトはバイク便。一般誌/音楽誌でライターになった後も、やはり乗り物好きの本性は変わらず、気づけば自動車関連の仕事が中心に。30代はサーキット走行にのめり込み、ワンメイクレースにも参戦。愛車はマツダ・ロードスター。今の趣味はロードバイクと楽器演奏(ベース)。

関連テーマ

おすすめ記事

 

トヨタ ノアの人気画像