有能で知的な2+2クーペ アウディTT(3代目) 英国版中古車ガイド 高級感も強み

公開 : 2023.01.14 08:25

生産終了が決まったスマートなスタイリングのクーペ、TT。3代目の中古車の魅力を、英国編集部がご紹介します。

活発な動力性能と鋭敏な操縦性

生産終了が発表されたアウディTT。初代は1998年に発表され、現行型は2014年にモデルチェンジした3代目となるが、最後まで魅力的なクーペといえた。活発な動力性能と鋭敏な操縦性で、われわれに不足しがちな興奮を提供してきた。

その中古車も同様に魅力的だ。英国市場では1万ポンド(約160万円)ほど準備すれば、我が物にできる。上品で高級感のある仕上がりを考えれば、お値打ちといえるだろう。

アウディTT(3代目/英国仕様)
アウディTT(3代目/英国仕様)

3代目TTに搭載されたエンジンの構成は比較的シンプル。当初は、180psの1.8L直列4気筒ガソリンターボの1.8 TFSIと、230psの2.0L 4気筒ガソリンターボの2.0 TFSIという2種類。高性能なTTSでは、同じ2.0Lユニットが310psへ引き上げられている。

最強仕様のTT RSには2.5L直列5気筒ガソリン・ターボが搭載され、最高出力は400psを誇った。また欧州市場などでは、2.0Lの4気筒ディーゼルターボもラインナップされていた。駆動方式は、前輪駆動のほかに四輪駆動も選べた。

2019年にマイナーチェンジを受け、ディーゼルターボは終了。ガソリンエンジンはアップデートを受け、グレード名も改められている。

2022年のラインナップは、TT RSを除いて2.0Lガソリンターボの1択。196psの40 TFSIと、244psの45 TFSI、306psのTTSという構成になっている。TT RSには、従来どおり直5ターボが搭載されている。

スーパーカーに並ぶ0-97km/h加速のTT RS

英国仕様のトリムグレードは、通常のTTではスポーツとSラインの2種類。スポーツでは、キセノン・ヘッドライトにエアコン、アルカンターラ・シート、デジタルラジオとブルートゥース対応ステレオが備わる。Sラインでは、LEDヘッドライトになる。

ちなみに、英国ではフロント・パーキングセンサーやナビはオプション扱いだった。中古車を探す場合は、装備内容を確認したいところ。

アウディTT(3代目/英国仕様)
アウディTT(3代目/英国仕様)

TTの特長は、初代から受け継がれている。印象的なほど機敏なシャシーに強力なエンジンを搭載し、直線でもコーナーでも素早く走る。運転しやすく、低速域でも乗り心地は良好。製造品質は高く、ソリッドで耐久性も高い。高級感は強みといえた。

最も控えめな180psの1.8L 4気筒でも、動力性能は充分以上。コストパフォーマンスに優れている。230psの2.0L 4気筒の場合、0-97km/h加速を6秒以下でこなす俊足を備える。TTSはさらに速いが、中古車価格は安くなく維持費もかさむだろう。

TT RSは、スーパーカーに並ぶ0-97km/h加速3.7秒というダッシュ力を披露するものの、若干フロントヘビー。コーナリングの楽しさは、そこまで秀でてはいない。初期のディーゼルエンジンは燃費に優れ洗練されていた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ピアソン

    Mark Pearson

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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