ラグジュアリーカー、今なぜ売れるのか 高級車メーカーが2022年に販売台数を伸ばしたワケ

公開 : 2023.01.25 12:08

高級車がコロナ禍に強いワケ

新型コロナ感染症の拡大で自動車業界は影響を受けてきたが、高級車メーカーは影響が少なかった。

その理由の1つが「ビスポーク」による受注生産が主になっていたことがある。

金融緩和で資産を増やした富裕層がクルマやブランド品の消費に走ったことも一因と筆者。2023年もこの流れは続くと分析。
金融緩和で資産を増やした富裕層がクルマやブランド品の消費に走ったことも一因と筆者。2023年もこの流れは続くと分析。    ロールス・ロイス

プレミアム・クラスの場合は、ベースの状態で買うことは皆無といえ何らかのパーソナライズが施されている。そのため製作に時間が必要で、納期は1年以上になることがある。

コロナ禍が一段落して行動制限が緩くなった2021年にオーダーされた車両が、2022年にデリバリーされたことから台数が伸びたと勘案できる。

プレミアム・クラスのSUVが登場したことにより、富裕層が所有する他メーカーのSUVからの乗り換えに加え、買い増しされたことにより台数を伸ばしたと考えられる。

また副次的になるがコロナ禍による金融緩和が行われ、世界的な金余り状態になる。そのため不動産や株式などの資産運用を得意とする富裕層がより資産を増やすこととなった。

コロナ禍で旅行を始めとする外出が制限されたことから、富裕層がクルマや宝飾品、ブランド品の消費に走ることになったことも忘れられない事実だ。

これらの要因が絡み合った結果、プレミアム・クラスの好調なセールスが実現したと考えられる。今後世界的な変動がなければ、2023年もこの流れは続くものと思われる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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