第5世代システム獲得 トヨタ・カローラ・スポーツ 1.8ハイブリッドへ英国試乗 魅力も向上

公開 : 2023.02.25 08:25

増強された第5世代のシステムを獲得

ハイブリッド・システムは、最高出力が増強された。1.8Lでは14%増しの140psに、2.0Lは6%増しの195psに設定されている。その結果、0-100km/h加速時間も短縮されている。1.8Lは1.8秒縮め9.1秒、2.0Lは0.5秒縮め7.4秒でこなすという。

システムの構成を詳しく見ると、トヨタが第5世代と呼ぶ理由も理解できる。制御ユニット自体が新しいだけでなく、駆動用バッテリーが強化され、CVTと一体の駆動用モーターは16kgから18kgも軽くなり、よりコンパクトに仕上がっている。

トヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ) 1.8ハイブリッド・デザイン(英国仕様)
トヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ) 1.8ハイブリッド・デザイン(英国仕様)

これにより、アクセルレスポンスが改善。加速時のラバーバンド・フィールを低減したとトヨタは主張している。

今回試乗したカローラ・スポーツは、1.8Lハイブリッドのデザイン。マイナーチェンジでフロントマスクが変化したものの、雰囲気は見慣れた印象でスタイリッシュだ。

発進させてみると、静かに求めたパワーが発揮される。路面の凹凸を越えるとサスペンションがしなやかにいなし、ボディを平静に保ってくれる。それでいて、姿勢制御も悪くない。

ステアリングホイールの感触は軽く正確。スポーツ度の高いドライブモードへ切り替えると、程よく手応えが引きしまる。コーナリング時のグリップ力は高い。限界領域ではアンダーステア傾向が強いものの、基本的にはニュートラルな挙動で安心感がある。

スタイリッシュな見た目へ一層そぐわない走り

トヨタの主張通り、アクセルレスポンスは明らかに良くなった。実際の加速ぶりとエンジンの回転との不一致感が大幅に減っている。

攻めた走りを求めると、やはり不自然に回転数は高まるものの、少なくともフィーリングは滑らか。そこで得られる動力性能は、かなりたくましい。欧州では、2.0Lより1.8Lハイブリッドの方が主力になると予想されるが、それもうなずける。

トヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ) 1.8ハイブリッド・デザイン(英国仕様)
トヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ) 1.8ハイブリッド・デザイン(英国仕様)

トヨタらしく誠実で実直な印象はそのままに、カローラ・スポーツはドライバーズカーとしての魅力を高めたようだ。スタイリッシュな見た目へ一層そぐわない走りを、実現したといえるだろう。

トヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ) 1.8ハイブリッド・デザイン(英国仕様)のスペック

英国価格:3万1780ポンド(約512万円)
全長:4370mm
全幅:1790mm
全高:1435mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:9.1秒
燃費:21.3km/L
CO2排出量:105g/km
車両重量:1410kg
パワートレイン:直列4気筒1789cc自然吸気+電気モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:−
最高出力:140ps(システム総合)
最大トルク:−
ギアボックス:CVT

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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