メーター用モニターがブラックアウト BMW iX(6) 長期テスト 1750Lの大きな荷室

公開 : 2023.02.25 09:45

エンジンを売りにする上級ブランドが発売した、フラッグシップBEVのiX。英国編集部が長期テストで実力を検証します。

積算9475km メーター用モニターがブラックアウト

前回、長期テスト車のBMW iX xドライブ50の車載アラームに異常が生じ、英国BMWの本部へお戻しした旨をお伝えした。その後すぐに、修理が終わり連絡をいただいた。

アラームの異常鳴動の原因は、車内側のセンサー不良だった。1万kmも走っていないのに腐食していたらしい。搭載場所はリアのフェンダーアーチ付近で、新しいものへ交換されたそうだ。

BMW iX xドライブ50 Mスポーツ(英国仕様)
BMW iX xドライブ50 Mスポーツ(英国仕様)

雨水が侵入し、酸化が進んでいたとのこと。BMWの担当者によると、クルマを英国本部へ戻した直後にも、雨が振り出しアラームが鳴ったという。

ところが、治ったiX xドライブ50を受け取った直後、オフィスへ戻る高速道路上でメーター用モニターがクラッシュ。一旦クルマを安全な場所に停め、システムを入れ直してみたものの、モニターは点灯する気配がない。

同時に、ヘッドアップ・ディスプレイも投影されなくなった。走行速度や航続距離がわからない状態で、深刻な不具合だといえる。やむを得ず、GPSを利用したスマートフォンのスピード計測アプリを、アップルカープレイを介して確認することに。

ちなみに、iXのダッシュボードにはワイドな1枚のモニターパネルが載っているが、実際は2枚のモニターが内蔵されている。インフォテインメント用が車両の中央側、メーターパネルはドライバーの正面にある。

2社の急速充電ステーション

数時間後に再びiXを始動させても、メーターパネルは真っ暗。センターコンソールのボリューム・ノブを30秒間押し続けると、システムをリセットできるということで試してみたが、インフォテインメント・システムが初期化されただけだった。

バーガンディのiX xドライブ50は、再びBMWの英国本部へ逆戻り。ブルーリッジ・マウンテンというボディカラーのiX M60と、もう少し一緒の時間を楽しもうとしよう。

BMW iX M60(英国仕様)
BMW iX M60(英国仕様)

さて、筆者は姉妹メディアの仕事へ関わることが珍しくなく、遠方へドライブする機会も多い。英国の急速充電ステーションも頻繁に利用している。最近はグレートブリテン島の南東部、ノリッジにある施設へ立ち寄った。

グリッドサーブ社のエレクトリック・フォアコートという場所だ。近未来の充電ステーションがどんな姿になるのか、実際に体現された施設だと思う。

英国では電気料金が徐々に上昇しており、2022年12月の時点での単価は1kWh当たり0.66ポンド(約105円)。自宅で充電する場合の、約2倍の料金が取られる。

そのかわり高速で簡単。クルマへコードを繋ぎ、クレジットカードをタッチパネルへかざすだけ。iXの急速充電能力は190kWまで対応しているが、グリッドサーブ社の充電器は350kWでの充電を可能としている。余裕の能力を持つ。

30分で蓄えられた充電量は65%。約40ポンド(約6500円)の料金が取られた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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