SUVでも多能は変わらず BMW X3(G01) 英国版中古車ガイド コスパに優れる20d

公開 : 2023.03.25 08:25

軽快な操縦性を楽しめるプレミアムSUV、X3。現行型も5年が過ぎ、狙い目になった中古車の魅力を英編集部がご紹介します。

丁度いい塩梅の現代的なファミリーカー

ちょっと上質で、丁度いい塩梅の現代的なファミリーカーをお探しなら、BMW X3は賢明な選択肢の1つになる。ボディサイズはX1やX2ほど小さくなく、X5やX7ほど大きくもない。

車内空間が広々としたSUVでありながら、見た目は無骨すぎず、市街地でも取り回ししやすい。プレミアム・ブランドのモデルとして、装備も充実している。現行のG01型は、多能な存在だと思う。

BMW X3(G01/英国仕様)
BMW X3(G01/英国仕様)

英国仕様の場合、ベース・トリムグレードのSEでも、LEDヘッドライトに18インチ・アルミホイール、ヒーター付きレザーシート、デュアルゾーン・エアコン、オートライト、パワーテールゲートなどが備わる。ほかに何が必要だろうか。

エンジンの選択肢も幅広い。ガソリンターボでは、20iに搭載される186psの2.0L直列4気筒から、M40iに積まれる360psの3.0L直列6気筒まで、複数の出力設定が用意されている。

189psの20dや325psのM40dなど、ディーゼルターボも選べる。2020年には20dがマイルド・ハイブリッドへ進化。同時期に292psのプラグイン・ハイブリッド、30eや、バッテリーEV(BEV)のiX3も登場した。ちなみに航続距離は458kmがうたわれる。

スーパーカー級の動力性能がお望みなら、最高出力510psを誇るX3 Mもある。もっとも、BEVのiX3も同様ながら、X3とひと括りにするには収まりきらない内容の持ち主ではある。今回は触れないでおこう。

運転の楽しさと快適性、実用性を両立

BMWらしく、SUVといえども運転の楽しさはないがしろにされていない。長距離クルージング時の快適性との、好バランスが与えられている。その走りを実現しているのが、優れた操縦性を実現したシャシーと、後輪駆動がベースの四輪駆動システムだ。

乗り心地も良好で、特にアダプティブダンパーを備えたX3の場合は、同クラスで並べるモデルは見当たらないだろう。深くえぐられたワダチを柔らかく処理しつつ、カーブが連続する区間では確かな姿勢制御を披露してくれる。

BMW X3(G01/英国仕様)
BMW X3(G01/英国仕様)

インテリアには高級感が漂う。プラスティック製部品の多くにはソフトタッチ加工が施され、上質なレザーもふんだん。走行中のロードノイズや風切り音なども小さい。

高いセンタートンネルでリアシートの中央席は足の置き場に困るとはいえ、空間にもゆとりがあり、大人4名が不満を抱かずに長時間過ごせるはず。荷室容量も大きく、荷室フロアの下にも便利な収納空間が用意されている。

リアシートの背もたれは40:20:40の分割で倒れ、長尺の荷物も問題なく飲み込める。実用性も強みの1つに数えられる。ただし、ランドローバー・ディスカバリー・スポーツとは異なり、X3に7シーター仕様の設定はない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    オリバー・ヤング

    Oliver Young 

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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