SUVでも多能は変わらず BMW X3(G01) 英国版中古車ガイド コスパに優れる20d

公開 : 2023.03.25 08:25

現行型でも中古車なら意外とお手頃

これだけの内容を備えていると、現行型ということもあり、G01型のX3はかなりお高いのではと想像するだろう。ところが、中古車なら意外とお手頃だという点も、訴求力を一層強める事実だ。

英国の場合、走行距離が長めになってしまうが、初期のディーゼルターボなら2万ポンド(約322万円)程度から探せる。2万6000ポンド(約418万円)前後まで予算を増やせば、平均的な走行距離のガソリンターボ版が射程に入ってくる。

BMW X3(G01/英国仕様)
BMW X3(G01/英国仕様)

ただし、高性能なM40iやM40dとなると、3万5000ポンド(約563万円)程は準備しなければ難しい。プラグイン・ハイブリッドの30eなら、更に価格帯は上昇する。

知っておくべきこと

燃費を求めるなら、大柄なSUVが故にディーゼルターボが有利になる。4気筒の20dの場合、WLTP値で16.1km/Lがうたわれる。6気筒の30dでも14.3km/Lと悪くない。ガソリンターボは、12.0km/L前後と考えて良いだろう。

プラグイン・ハイブリッドの30eはカタログ値で50.0km/Lとなっているが、定期的な充電が不可欠。現実的な条件で長距離を走る場合、この数字に届かせることは難しいかもしれない。駆動用バッテリーが満充電なら、電気だけで最長49kmを走行可能だ。

BMW X3(G01/英国仕様)
BMW X3(G01/英国仕様)

姉妹メディアによる信頼性の調査では、同クラスのSUVでガソリンターボのX3は32モデル中4位、ディーゼルターボも10位に入っている。優秀といえるが、購入時は過去の整備記録を確かめたい。

トリムグレードとスペック

SE:英国仕様のベースグレードだが、必要な装備はほぼすべて揃っている。ひとつ上のトリムグレード、xラインは主にデザイン的なアップグレードの要素が強い。

BMWだからMスポーツも魅力的ながら、サスペンションは硬め。快適な乗り心地を求めるなら、アダプティブダンパーが不可欠だろう。

BMW X3(G01/英国仕様)
BMW X3(G01/英国仕様)

購入時に気をつけたいポイント

ホイールとボディ

アルミホイールのガリ傷は、見た目の印象を損なう。特に大径なアイテムが組まれるMスポーツの場合は、丁寧に観察したい。

パーキングセンサーが標準装備ということで、駐車時に擦り傷を付けるようなケースは少ない。とはいえ大柄なSUVなだけに、ボディは隅々まで状態を確かめたいところ。

点検整備

BMW X3(G01/英国仕様)
BMW X3(G01/英国仕様)

一般的にBMWの点検整備費用はメルセデス・ベンツより安いが、プレミアム・ブランドの一般的な水準にはある。ある程度の維持費は見込んできたい。

英国仕様の場合、新車時にサービスパッケージを契約していれば、3年間か5万8000kmまでの定期メンテナンスが保証される。ディーラーやウェブサイトで確認してみると良いだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    オリバー・ヤング

    Oliver Young 

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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