1960年代の英国へ衝撃 ローバーP6 英国版クラシック・ガイド 上級サルーンをリード 前編

公開 : 2023.05.28 07:05

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「関節を痛めたのを理由に趣味だったアーチェリーを諦め、最近はクルマ好きが再燃しています」。と話すのは、今回ご登場いただいたレッドのローバーP6 2000のオーナー、ブライアン・ローラー氏。

「子供の頃、自宅の近所でクルマを洗う手伝いを遊び半分にしていました。ある人がP6を所有していて、洗車を終えると、何時間もシートに座って運転の真似をしていたんです。ダッシュボードを観察しながら」

ローバーP6(1963〜1977年/英国仕様)
ローバーP6(1963〜1977年/英国仕様)

「アルミ製のフロントグリルとシンプルなボンネットを備える、シリーズ1がわたしの好み。それと、赤いクルマが好きなんです」

「これまで色々なモデルを60台以上所有してきましたが、このP6はオースチン・マリーナ GTとの交換で入手しました。妻はクルマへ関心を示さないのですが、ローバーは気に入っていて、手放さないでほしいと話しています」

「近未来的なデザインと、快適な乗り心地が気に入っています。今でも、何時間でも眺めていられますね。とても美しいと思いますよ。整備は難しくなく、ボディは大きめですが路上では扱いやすいですし」

「大切にオリジナル状態が保たれてきていて、わたしで4オーナー目。スターターやソレノイド、バッテリーを交換して電気系統をリフレッシュしました。それ以外は快調。運転が楽しいですね」

英国で掘り出し物を発見

ローバーP6 3500(欧州仕様)

登録:1974年 走行:4万1200km 価格:2万9500ユーロ(約428万円)

かなり強気な値段だが、ハンサムな見た目に誘惑されてしまう。グリーンのボディにアルミホイールとビニールルーフ、タンレザー・インテリアの組み合わせが決まっている。

ローバーP6 3500(1974年式/欧州仕様)
ローバーP6 3500(1974年式/欧州仕様)

新車時にスウェーデンで売られ、近年にレストアを受けている。ボディパネルの隙間はきれいに揃っていて、塗装の艶は深い。内装は仕立て直されているが、適度なヤレ感も残されていて好印象。オリジナルのマニュアルと、整備記録の一式が付いている。

ローバーP6 2000(英国仕様)

登録:1964年 走行:11万5800km 価格:1万3950ポンド(約224万円)

初期のP6をお探しなら、好適といえる内容だろう。シティ・グレーのボディが美しく、クロームメッキもきれいだ。タン・レザーのインテリアは見栄えがいい。オリジナル状態が保たれており、時代を感じさせる味がある。

ダッシュボードには、珍しい純正ステレオが残されている。シートベルトはフロント側に備わるが、リアには付いていない。

エンジンは整備が行き届いている。荷室のフロア下には、スペアパーツが詰まっているという。新車時からのゴム製マットも残っている。

中古車購入時の注意点などは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マルコム・マッケイ

    Malcolm Mckay

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジェームズ・マン

    James Mann

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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