商用ベースの5人乗り小型ミニバン 欧州フォード、トルネオ・クーリエ発表

公開 : 2023.05.16 18:25

2代目となるフォード・トルネオ・クーリエが欧州で発表されました。クロスオーバーのプーマとプラットフォームを共有する小型ミニバンで、エンジン車とEVを用意。欧州フォードの最安価モデルとして年内に生産開始予定です。

欧州フォードの最安価モデル?

フォードは欧州向けの小型MPV(ミニバン)として、新型トルネオ・クーリエを発表した。エンジン車とEVが用意され、今年後半に発売される予定だ。

フォードは、欧州Bセグメントのフィエスタの生産を年内に終了予定で、2025年にはCセグメントのフォーカスも生産終了の見込みである。そのため、欧州向けの乗用車としては、トルネオ・クーリエがクロスオーバーのプーマと並ぶ事実上のエントリーモデルとなる。

フォード・トルネオ・クーリエ
フォード・トルネオ・クーリエ    フォード

2代目となる新型トルネオ・クーリエは、パネルバンのトランジット・クーリエから派生した乗用車タイプである。生産はルーマニア工場で、クロスオーバーのプーマとともに今年後半から開始予定だ。

エンジン車は今夏から、EVは2024年後半から発売される。

フォードのジム・ファーリーCEOはEV仕様について、「欧州におけるフォードの未来」を示すものとして、「冒険への飽くなき欲求を燃料とする」「楽しい」EVであると語っている。

EV仕様の詳細はまだ明らかにされていないが、フロントアクスルに最高出力136ps、最大トルク29.5kg-mの電気モーターを搭載する見込みで、最高速度145km/hと予想される。100kWの急速充電に対応し、35分以内に10~80%の充電が可能とされている。

また、フォードは10分間で87km分の電力を補充できるとしており、バッテリー容量は約55kWh、航続距離は約370kmになることを示唆した。

エンジン車は、フィエスタと同じ最高出力125psの1.0Lガソリンターボ「エコブースト」を搭載し、6速MTまたは7速ATと組み合わされる。しかし、プーマに搭載されているようなディーゼルエンジンの導入予定はない。

大型のフォード・トランジットなどが後輪駆動の商用車用シャシーを使用しているのに対し、トルネオ・クーリエはプーマと同じ前輪駆動の足回りやパワートレインを特徴とする。

価格は未定だが、プーマが約2万5000ポンド(約420万円)からであることを考えると、トルネオ・クーリエのエンジン車では2万ポンド(約340万円)近い設定となる可能性もある。

主なライバルとしては、同じように商用車ベースのシトロエンベルランゴフィアットドブロプジョー・リフター、ヴォグゾールコンボ・ライフといったステランティスの4車種が挙げられる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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