遊びにも仕事にも使える最高のピックアップトラック 10選 積載力と快適性を両立する贅沢なクルマ

公開 : 2023.06.04 18:05

英国ではタフな商用車としてピックアップトラックが使われており、高い積載能力と5人乗りの実用性を両立させたモデルが人気です。近年ではオフロード性能と快適性を兼ね備えた「ツワモノ」も。英国編集部がベスト10を選出。

積載能力、快適性、オフロード性能の見事な融合

SUVの人気の高まりとともに、英国でにわかに注目を集めるようになったのがピックアップトラックだ。商用車・社用車として税金を低く抑えられる実用的なマシンであり、乗用車としての魅力もますます深まっている。メーカー各社は「ワークフォース」としての耐久性に加え、SUV並みの快適性とスタイル、家族向けの多機能性を備えた新型車を次々と投入してきた。

その人気の高さを示すように、フォルクスワーゲンメルセデス・ベンツもピックアップトラック分野に参入し、建築現場で見栄えのする華やかなダブルキャブを発売した。フォード三菱いすゞ日産トヨタなどの常連メーカーに加え、サンヨンのようなコストパフォーマンスの高いブランドも登場した。一時期は、どこの製品カタログを見ても頑丈なトラックが載っていたのだ。

英国ではピックアップトラックをビジネスに使う人が多い。
英国ではピックアップトラックをビジネスに使う人が多い。

しかし、多くの利点があり、購買意欲も旺盛に見えたにもかかわらず、英国でのピックアップトラック人気はすぐに低迷した。その一因はパンデミックであり、2020年の間に販売台数は3分の1にまで落ち込んだ。他の分野が回復に向かう一方で、ピックアップトラックの販売はなかなか上向かない。その結果、メルセデス・ベンツXクラスと日産ナバラが英国市場から姿を消した。

そのため、本稿執筆時点で、英国で新車販売されているのは基本的に5車種のみとなる。それでも、最新型のフォード・レンジャーとフォルクスワーゲン・アマロックが投入されるなど、ピックアップトラックの灯火はまだまだ消える気配がない。さらに、複数の新型車が発売を控えている。

仕事でもプライベートでも使える、コストパフォーマンスの高いクルマを探しているなら、ピックアップトラックはある程度合理的な選択肢だと思う。英国では自営業者にしても企業の従業員にしても、支払う税金が同サイズのSUVよりはるかに安くなる。

今回は、英国で販売されている5車種と、近日発売予定または並行輸入向けとして注目の5車種を取り上げる。

1. トヨタ・ハイラックス

トヨタ・ハイラックスは、60年代後半から世界各地で販売されており、商用車としての多用途性と信頼性で高い評価を得てきた。そのため、最新モデルにフル装備の高級グレード「インヴィンシブル」が導入されたことには少し驚かされた。

どの仕様においてもハイラックスは快適で、インテリアのクオリティも高く、一部のライバル車より洗練されていて扱いやすい。また、ハンドリングと乗り心地には安定感があり、狭い街道路でも取り回しの利くサイズにおさまっている。

1. トヨタ・ハイラックス
1. トヨタ・ハイラックス

2019年のマイナーチェンジでは、バンパーデザインを変更し、装備の一部を見直したほか、アクティブ・セーフティ・システムを強化。翌年には再びシャシーと内外装を改良し、乗り心地とハンドリングのレベルをもう一段階引き上げ、「無敵」を名乗る最上位グレード、インヴィンシブルXも追加した。

さらに、ダカール・ラリーでの活躍を記念して、GRスポーツが設定された。内外装にスポーティなデザインを採用し、ダンパーとフロントスプリングをアップグレードして、オンロードでのシャープなハンドリングとオフロードでの高速走行性能を向上させたが、後述のフォード・レンジャー・ラプターほどの「面白さ」を期待すると失望してしまうだろう。

英国では現在、パワートレインとして最高出力150psの2.4L直4ディーゼルと204psの2.8L直4ディーゼルが用意されている。十分なパワーがあるものの、ライバルの多気筒モデルと比べると面白みに欠ける。

だが、実用性に不足はない。重い荷物を運ぶ場合も、その余裕ある積載量は多くのライバルを上回っている。ダブルキャブ仕様が一般的だが、2.4Lモデルではシングルキャブ仕様とエクステンドキャブ仕様が選べる。JBLプレミアムサウンドシステムをはじめ、さまざまな装備や機能を求めるなら、ダブルキャブしかないだろう。さらに、トヨタ・ハイラックスほどタフなトラックはない、という事実もある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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