VWのゴルフ GTEに相当 ヴォグゾール(オペル)・アストラ GSeへ試乗 電動化時代の高性能

公開 : 2023.06.16 08:25

気持ちを誘うことはない単調なサウンド

ただし、一体感は高くない。スポーティなハッチバックとして、パワートレインの濃密なフィーリングは大切な要素だと思う。充分なパワー感はあるものの、特にサウンドは単調気味といえる。アクセルペダルを踏み込みたいと、気持ちを誘うことはない。

実際、リアバンパーを観察してもマフラーの姿は見られない。全体の雰囲気は悪くないだけに、少し残念なポイントだといえる。

ヴォグゾール(オペル)・アストラ GSe(英国仕様)
ヴォグゾールオペル)・アストラ GSe(英国仕様)

インテリアはレイアウトに気が配られ、上質感があり居心地は良い。スポーツシートはアルカンターラ張りで、実際に金属が用いられたスイッチ類など、お高めの価格に見合った印象を与える。

もったいないのが、車内でGSe独自といえる部分が、ヘッドレストにあしらわれたロゴだけなこと。運転中は視線に入ることはない。シートは、もう少しサイドボルスターが高くても良さそうだ。

英国価格は4万550ポンド(約652万円)。ライバルとなるのは、約3万8000ポンド(約611万円)のフォード・フォーカスや、約3万6000ポンド(約579万円)のヒョンデi30 Nなど。相手はしっかりホットハッチしており、一体感や感触では勝るだろう。

それでも、フォルクスワーゲン・ゴルフGTEや、プジョー308の同等仕様と比較すれば競争力はある。既存のアストラ・ハイブリッド・アルティメットより、僅かに高いだけでもある。

モダンなホットハッチとして魅力的に映る

試乗での平均燃費は14.2km/Lほど。プラグイン・ハイブリッドだから、駆動用バッテリーが充電されていれば、最長64kmを電気だけで走ることもできる。

英国では、ヴォグゾールは保険料も安い。モダンなホットハッチを検討するドライバーには、アストラ GSeは魅力的に映るはず。

ヴォグゾール(オペル)・アストラ GSe(英国仕様)
ヴォグゾール(オペル)・アストラ GSe(英国仕様)

ただし、GSeを新しい電動のパフォーマンス・ブランドと受け止めることは難しいだろう。スポーティなルックスやエンブレムから期待するほど、気持ちを高ぶらせることはなさそうだ。既存モデルの、最上級グレードだと理解した方が良いかもしれない。

ヴォグゾール(オペル)・アストラ GSe(欧州仕様)のスペック

英国価格:4万550ポンド(約652万円)
全長:4374mm
全幅:1860mm
全高:1470mm
最高速度:234km/h
0-100km/h加速:7.5秒
燃費:90.9km/L
CO2排出量:25g/km
車両重量:−
パワートレイン:直列4気筒1598ccターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:9.9kWh
最高出力:225ps/6000rpm(システム総合)
最大トルク:−
ギアボックス:8速オートマティック

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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