フォルクスワーゲンCEO 批判多い内装デザインに「多くのダメージ受けた」 大幅改良へ動く

公開 : 2023.06.21 18:05

フォルクスワーゲンのトーマス・シェーファーCEOは、多くのユーザーから批判を集めたインテリアデザインについて「多くのダメージ」を受けたと語りました。新型車ではこれを改善し、操作性を向上させるとのことです。

使いづらい室内の操作系 改善急ぐ

フォルクスワーゲンのトーマス・シェーファーCEOは、車載のタッチセンサー式の操作系の導入は「間違いなく大きなダメージを与えた」と述べ、今後のすべてのモデルにおいて、よりシンプルで機能的なインテリアを採用することを約束した。

フォルクスワーゲンの近年のモデルで見られるインフォテインメント・システムや空調などの操作系については、使い勝手が悪いという指摘が多くのユーザーから寄せられている。

次期型ティグアンの内装(画像はプロトタイプ)では操作性の改善を図っているという。
次期型ティグアンの内装(画像はプロトタイプ)では操作性の改善を図っているという。

シェーファーCEOは、先日行われた次期型ティグアンのプロトタイプ発表会でAUTOCARの取材に応じ、ゴルフなどの従来車とはまったく異なる新しいインテリアデザインを、今後のフォルクスワーゲンの意思表示として説明した。

次期型ティグアンでは、2枚のインフォテインメント・タッチスクリーンを搭載するようになったが、物理的な操作系はまだ少ないままだ。

しかし、最近のフォルクスワーゲンの操作系で最も批判を集めている、照明のない空調コントロール・スライダーやステアリングホイールのハプティックボタンなどは廃止され、ドライブモードや音量設定に素早くアクセスできる新しいロータリー式コントローラーがセンターコンソールに設置された。

これは、顧客からの批判に応え、より操作しやすくするための取り組みの一環だと、シェーファー氏は言う。

シェーファー氏は、前任のヘルベルト・ディース氏の時代に導入されたインテリアデザインの変更が、フォルクスワーゲンの評価を脅かしたのではないかという質問に対し、「間違いなく大きなダメージを与えた」と答えた。

「不満を持たせてはいけないお客様が不満を持つようになったのです。そこでわたし達は、お客様がクルマを使うときに触れるすべての機能を、体系的に調査し、多くの時間を費やしてきました」

「そして、それらをランク付けしました。最も重要なものは何か? ボタンに表示する必要があるのはどれか?画面に表示する必要があるのはどれか? 第一階層、第二階層、第三階層? そして、ライトを点けたいときに直感的にたどり着くのはどこなのか?」

「ボタンにすべきか、あるいはスイッチにすべきか? そして、そのデザインに取り組みます。ボタンを作る場合、その数は少ない方がいいのですが、優れたボタン、例えば飛行機のようなボタンの触覚はどうなのか?」

「わたし達は、大規模なチームと一緒にこの作業を進めました。かなり時間がかかりました。部屋ほどもあるエクセルのスプレッドシートでしたが、そうしなければならないのです」

シェーファー氏はまた、フォルクスワーゲンのラインナップに一貫性を持たせるために、各モデルの後継車がキャビンレイアウトを再び大胆に見直すことがないよう取り組んでいるという。

「一度決まったら、二度と触らない。そのままでいい。新しいモデルが出るたびに、何かがまったく違っていて、お客様を混乱させることがないように。最適化すること。未来につなげること。でも、ボタンをあっちとこっち、こっちとこっちと変えてはいけない。フォルクスワーゲンでは、クルマに乗ると、どこに何があるかすぐに直感的にわかるというのがいい」

「そして、それが今、ID.2以降で実現するのです。再び一流になれるでしょう」

このデザイン理念は、ティグアンに続いて、今年後半に公開予定の次期型パサートと改良新型ゴルフに導入される予定だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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