マイルドHVの新6気筒獲得 BMW X5 xドライブ30dへ試乗 4代目がフェイスリフト

公開 : 2023.08.24 08:25

ISGのアシストで286psでも充分活発

車内空間は従来どおり広く、大人5名が不満なく座れる5シーターが標準。オプションで3列目を追加すれば、定員は7名に増える。着座位置は高く、ガラスエリアは広く、運転席からの視界は良好だ。

荷室は、5シーター・レイアウトのトノカバー下で650L。リアシートを折り畳めば、1870Lまで拡大できる。最大牽引重量は、3500kgとなっている。

BMW X5 xドライブ30d(欧州仕様)
BMW X5 xドライブ30d(欧州仕様)

一般道を走らせてみよう。アップデートされたエンジンは、滑らかで静か。xドライブ40dでは340psを発揮するが、286psのxドライブ30dでも充分活発。ISGがアシストを加え、トルクも太い。実際、12psと20.4kg-mを加算してくれる。

アクセルレスポンスは鋭く、高負荷時でもたくましい。車重は2220kgと軽くないものの、加速の勢いはかなりのもの。高速道路では、粘り強いエンジンのおかげで安楽なクルージングに浸れる。

ドライブモードは、エコプロ、コンフォート、スポーツの3種類。これは従来どおりだ。

トルクコンバーター式の8速ATは、黒子のように望ましいギアを選んでくれる。ステアリングホイールの重み付けは、軽すぎず重すぎず。正確に反応することも変わらない。

アクティブ後輪操舵システムを追加すれば、一層軽快な身のこなしを実現できる。市街地では、小回りも利くようになる。路面や気象にとらわれず、四輪駆動システムが優れたトラクションと秀でた安心感を提供してくれるだろう。

動的能力の水準は高い 運転する魅力が備わる

英国仕様のサスペンションは、スチールコイルが標準。オプションでエアスプリングも選択でき、オフロードパッケージと組み合わせれば、車高を持ち上げて悪路の走破性を高められる。

減衰力を調整する電子システムは新しいソフトウエアで制御され、リアルタイムに反応。優れた姿勢制御を叶え、コーナーでのボディロールを抑制していた。動的能力の水準は高く、運転する魅力が備わるといえる。

BMW X5 xドライブ30d(欧州仕様)
BMW X5 xドライブ30d(欧州仕様)

試乗車にはオプションの22インチ・アルミホイールが履かされており、タイヤのサイドウォールが薄く、低速域では路面の乱れの影響を受けやすいようだった。一方、エアスプリングが高速域ではしなやかに不整をいなし、快適な乗り心地を保っていた。

スポーツ・パッケージやスポーツプロ・パッケージを選択すると、スチールコイル・サスペンションを引き締めることも可能。後者では電気油圧式のアンチロール・システムも実装され、一層タイトな操縦性を叶えるという。

今回のフェイスリフトで、BMW X5の訴求力は更に増したといえる。英国の主力グレード、xドライブ30dでも洗練性や快適性に不足なく、期待通りの走りを実現している。

BMW X5 xドライブ30d(欧州仕様)のスペック

英国価格:6万8165ポンド(約1233万円)
全長:4935mm
全幅:2004mm
全高:1765mm
最高速度:233km/h
0-100km/h加速:6.1秒
燃費:10.2-11.7km/L
CO2排出量:215-186g/km
車両重量:2220kg
パワートレイン:直列6気筒2993ccターボチャージャー+ISG
使用燃料:軽油
最高出力:286ps/4000rpm
最大トルク:66.1kg-m/1500-2500rpm
ギアボックス:8速オートマティック(四輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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