メルセデス・ベンツEQE SUV日本発売 1300万円超えの高級EV、3つの注目点 AMG「53」も導入

公開 : 2023.08.25 11:30  更新 : 2023.09.26 00:50

ベンツの新たなEV「EQE SUV」が発売。3つの注目点を探りましょう。AMGモデルの「53」は1700万円級の価格です。

価格/サイズ判明 Cd値は0.25

執筆:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)

メルセデス・ベンツ日本が、電気自動車(EV)の上級SUV「EQE SUV」を発表し、予約注文の受付けを開始した。

デリバリーは、EQE 350 4マティックSUVローンチエディション(以下、EQE 350 SUV)が本日より始まる。

EQE 350 4マティックSUVローンチエディションと、日本発表会に登壇したメルセデス・ベンツ グループ社のオラ・ケレニウス取締役会会長
EQE 350 4マティックSUVローンチエディションと、日本発表会に登壇したメルセデス・ベンツ グループ社のオラ・ケレニウス取締役会会長    AUTOCAR JAPAN

AMGモデルの「AMG EQE 53 4マティック+SUVローンチエディション」も導入され、こちらは10月下旬以降の納車を予定している。

EQE SUVは昨年に日本発表されたアッパーミドルEVセダン「EQE」のSUV版だ。

日本では高級EVセダンとなるEQSにSUV版である「EQS SUV」が存在するが、それと同じ関係にあたる。

今回発表されたEQE SUVのサイズは、全長4880×全幅2030×全高1670mm、ホイールベースは3030mm。

セダンのEQEより全長とホイールベースは短いが、やや幅広く、全高はかなり高められている。それでも顔つきはEQEと大きくは変わらない。

車高の高いSUVゆえ前面投影面積はセダンより大きくなるが、エアロダイナミクスは最適化され、工夫を施したアンダーボディが中心的な役割を果たし、Cd値は0.25(欧州値)という優れた空力性能を備えている。

EQE 350 4マティックSUVローンチエディション:1369万7000円
AMG EQE 53 4マティック+SUVローンチエディション:1707万円

1. バッテリーの負担を減らす装備 

EVならではの注目装備としては、まず「ヒートポンプ」の標準装備が挙げられる。ベンツの電気自動車としては初採用だ。

これは、高電圧バッテリーから発生する“廃熱”を「暖房」に利用することで、車内を暖める際の消費電力を削減するもの。EVの場合、暖房を使うことでバッテリーが消費され、冬は夏よりも航続距離が短くなる。このヒートポンプによって、航続可能距離を最大10%(欧州値)伸長するという。

EQE 350 4マティックSUVローンチエディションの前席内装
EQE 350 4マティックSUVローンチエディションの前席内装    メルセデス・ベンツ日本

また、新機構として「ディスコネクトユニット」も搭載した。

フロントの電動パワートレイン(eATS)にアクチュエーターを用いたクラッチを設けることで、走行状況に応じてクラッチを切り前輪をフリーにする。モーターによる抵抗を極力低減させるものだ。

例えば、高速巡航時にクラッチを切り離すことで後輪駆動のみとして、電池の消費量を抑制。つまり、エンジン車の「コースティング」と同様と考えればいい。

パワートレインは前後にモーターを搭載する4WD。「EQE 350 SUV」は最高出力は292ps(215kW)、最大トルクは78.0kg-mを発生。

エネルギー容量89kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、一充電航続可能距離は528km。6.0kW(200V・30A)までの交流普通充電とCHAdeMO規格の直流急速充電に対応する。

急速充電は50kWタイプの場合、102分で10%~80%まで充電でき、10%から30分の充電で30%まで充電できる。

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    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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