【自宅に充電設備ナシ】 メルセデス・ベンツEQE 350 4マティックSUVにて自宅からロングドライブ

公開 : 2024.04.01 17:45

「ロングドライブ×BEVの最適解を探る旅」と題し、メルセデス・ベンツEQE 350 4マティックSUVにてロングドライブを兼ねた試乗に出発。張本人の自宅に充電設備は無し。さてどんな旅になったのでしょう?

長距離の条件は走行距離とADAS

鈴鹿サーキットを往復する取材を頼まれたので、スマホのナビで我が家からの走行距離を調べてみると411kmと出た。

だったらBEVで行ってみる手もありなのではと考えた。最近のBEVは一充電航続距離が500kmを超えるものも珍しくないし、自分自身も以前よりはるかにBEVのロングドライブに苦手意識がなくなってきているというのもある。

メルセデス・ベンツEQE 350 4マティックSUVローンチエディション
メルセデス・ベンツEQE 350 4マティックSUVローンチエディション

じゃあどの何を借りるか? 今どき長距離ドライブで重要なのはACCの完成度、それ以外にはないだろう。となればメルセデスかBMWボルボか。この分野は日進月歩なので他にも選択肢はあるはずだが、それでもステアリングスポーク上にスイッチが集約されていないメーカーのそれは好きではない。

結果的に今回はスケジュールとの兼ね合いによってメルセデス・ベンツのEQE350 4マティックSUVに決まった。ひとり乗りとはいえ長距離ドライブなのでDセグくらいのサイズ感がありがたい。

そして床下にバッテリーを敷き詰めるBEVの走行距離は車体サイズとある程度は比例している。EQE SUVは大きすぎず、でも一充電走行距離はWLTCモードで528kmもある。まさに今回の条件に最適な1台だったのである。

BEV初心者の逡巡、走行距離、一喜一憂

都内でEQE SUVを借りた瞬間、バッテリーの状態はなんと100%だった。走行可能距離は474km、その横にはMAX544kmとある。走ること以外に一切電気を使わず、禁欲的に過ごせばWLTC数値を越えるらしい!

もちろん暖房も灯火類もナビも使わずなんて無理なので、信用すべきは474kmの方なのだが。でもこれまで経験したほぼ全てのBEVがカタログ数値の2割減くらいの走行距離だったことを考えれば今回の1割減は優秀? それだって演算の仕方次第なのかもしれないが。

メルセデス・ベンツEQE 350 4マティックSUVローンチエディション
メルセデス・ベンツEQE 350 4マティックSUVローンチエディション

ところが翌日朝、自宅で旅の荷物を積み込み「さあ出発!」という段のバッテリー残量は82%、走行距離は335kmになっていた。鈴鹿まで充電ナシという目論見はいとも簡単に消え去った。BEVは自宅に充電設備があってこそ、という常識を再確認させられたわけだ。

東名横浜インターでは70%/273km……なんてイチイチ電費のことばかり心配している自分が少し嫌になった。メーターパネルの端っこには「目的地まで238kmあるので、その手前143km地点で充電すべし」的な表示が出ている。つまり電気のことはクルマ任せにしていて問題ないのである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    小川亮輔

    Ryosuke Ogawa

    1986年生まれ。幼少期から父親の影響でクルマに惹かれている。独身時の愛車はシボレー・コルベットC5 V8 5.7Lのミレニアムイエロー。現在はレンジローバーV8 5.0L(3rd最終型)に家族を乗せている。2022年、SNSを通してAUTOCAR編集部の上野太朗氏に発掘される。その2日後、自動車メディア初仕事となった。instagram:@ryskryskrysk
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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