上級クーペSUV市場を喚起 BMW X6(G06型) 英国版中古車ガイド 624psのMも魅力的

公開 : 2023.09.18 19:05

人気を集める理由は少なくない

クーペ状のルーフラインながら、X6は実用性も悪くない。先代から全長を26mm伸ばしたことで車内空間も拡大されており、荷室の容量は580Lがうたわれる。ただし、ライバル以上に広いわけではない。

BMW X6に対し、賛否両論があることは確かだ。だが、モダンなプレミアムSUVとして、人気を集める理由は少なくないといえる。

BMW X6 M50i(G06型/2019年〜/英国仕様)
BMW X6 M50i(G06型/2019年〜/英国仕様)

知っておくべきこと

人気モデルということで、英国でのX6の中古車価格は堅調。xドライブ30dの新車価格は、2019年で5万9340ポンドだったが、現在でも5万ポンド(約905万円)以上が付いている。ガソリンエンジンの場合は、6万ポンド(約1086万円)程度は準備したい。

M50iとM50dの新車価格は、それぞれ7万6870ポンドと7万4335ポンドだった。現在は、中古車でも6万7000ポンド(約1212万円)程度の予算が求められる。 X6 Mコンペティションの場合、9万ポンド(約1629万円)は必要になる。

BMW X6 M50i(G06型/2019年〜/英国仕様)
BMW X6 M50i(G06型/2019年〜/英国仕様)

燃費は、xドライブ30dのカタログ値で16.4km/L。M50dでも14.5km/Lが主張される。xドライブ40iは12.5km/L、M50iでは9.6km/Lへ落ちる。

信頼性の評価では、ベースを共有するX5で、同クラスの8モデル中3位にランクイン。自動車メーカー全体としての信頼性では、30銘柄中13位となっている。

購入時に気をつけたいポイント

ケーブルの緩み

マイルド・ハイブリッドのX6では、スターター・ジェネレーターとバッテリーへ接続されるケーブルが、適正に固定されていない可能性がある。英国ではリコールが出ており、BMWのディーラーで接続状態を確かめてもらえば、不具合は起きないだろう。

実用性

同クラスのクーペSUVの中で、X6の実用性が秀でているわけではない。580Lの荷室容量は、同時期のメルセデス・ベンツGLE クーペの650Lや、ポルシェカイエン・クーペの625Lと比べると劣る。ただし、X6のリアシートは40:20:40の分割で折り畳める。

BMW X6 M50i(G06型/2019年〜/英国仕様)
BMW X6 M50i(G06型/2019年〜/英国仕様)

英国編集部の推しチョイス

トリムグレード

Mスポーツが英国編集部のオススメ。走行性能に関わるコンポーネントがアップグレードされ、スタイリングも精悍になる。クーペSUVとして望ましい仕上がりといえる。

ベスト:xドライブ30d

必要充分以上にパワフルで、価格もお手頃。燃費も良好だ。英国では流通量も多い。

ワイルドカード:M50i

BMW X6 M50i(G06型/2019年〜/英国仕様)
BMW X6 M50i(G06型/2019年〜/英国仕様)

624psを発揮するV8エンジンを搭載したX6は、本当に豪快。エグゾーストノートも聴き応えがあり、スタイリングもアグレッシブで印象的。中古車でも価格は高く、ランニングコストも安くは済まないけれど。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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